歴史研究で役立つユリウス日からグレゴリオ歴への変換:Excel

役立つ知識

 この記事は、グレゴリオ暦やユリウス暦のことを知っている人を対象に書いています。記述の意味が分からない方は過去記事をご覧下さい。

 古い歴史の記事を書くときにいつも困るのが日付です。

 文献に載っている日付。それは、何?

 グレゴリオ歴が採用された後は比較的楽なのですが、それ以前の日付については注意しないといけません。その日付は通常はユリウス日で書かれていると思います。しかし、グレゴリオ暦に換算したもので書かれている可能性もあります。

 どちらなのか。これは計算してみなければ分かりません。

 そこで役立つのがユリウス暦です。でも、ユリウス日として表示しているサイトはまず無いでしょう。それを見ても意味が分からないので。

 ユリウス暦(ユリウス通日)で計算して、二つの出来事の日数の差を出す、という便利な使い方ができます。しかし、通常のユリウス暦は、ユリウス日として「2411004」などの数字で表現されます。二つの日付を比較するには便利なのですが、これでは何のことか分かりません。

 そこで、ユリウス日をグレゴリオ歴で表示する必要があります。もちろん、グレゴリオ歴が採用される前の年代にこれを適用しても意味があるとは思えないのですが、現実には、その方が理解できます。特に、グレゴリオ暦が採用される時期のヨーロッパ史を調べるときには、この方がより理解が深まります。

 やったことのない人には、この意味が分からないと思いますが、実際に調べて苦労した人は共感できると思います。

 ところで、西暦をユリウス日で表示する計算サイトはいくつかありますが、ユリウス日からグレゴリオ暦に変換できるサイトは見つかりません。

 そこで、Excelで作ってみました。ところで、Excelは1900年以前の日数計算は、通常のやり方ではできません。ユリウス日が便利な理由はここにもあります。

ユリウス日をグレゴリオ暦に変換

 「換暦」というサイトはとても便利で、管理人はよく利用しています。

 「換暦」で、明治22年1月1日は、ユリウス日で「2411004」です。

 逆に、ユリウス日で「2411004」はグレゴリオ暦で何年何月何日かを計算するのが、今回のExcelプログラムです。

 「換暦」を使えばできるのですが、古い時代のいろいろな日付の間隔を正確に知りたいときには、エクセルを使ってやる方が便利です。

エクセルブックのダウンロード

 たいしたものではないのですが、このエクセルブックを公開します。自分用につくったものですが、もし欲しい方がいれば使って下さい。

 エクセルブックのダウンロードはこちらから。

 ダウンロードパスワード cesar2020

 ユリウス日が便利な点は、紀元前の出来事にも対応できることです。そして、それは、グレゴリオ歴ではいつのことなのか。何月の出来事かを知ることで、季節感を理解できます。

 キングダムの信は、なぜ、半袖? など(笑)。

「暦」関係過去記事

 暦はとても複雑で、文献で見つけた日付をそのまま鵜呑みにすると誤った理解をしてしまうことがあります。文献が正しいとは限らないし、誤解を生む書き方になっている場合も多々あります。

 ネットに情報を発信する人の中には、これに無頓着な人が多く、誤った情報を拡散しているサイトをよく見かけます。結局は、その程度のサイトということなのでしょう。コピーペしているだけなので。

 「歴史小説の日付けの間違い:西暦はうかつには使えない

 「暦のミステリー:イギリスの1586年10月15日は何曜日か?

 「『中暦』って何? ミステリアスワールド・ジャパンの秘密

 「日本書紀と古事記の暦の違いを考えてみる