「年金は65歳から受給可能ですが、繰り下げ受給も可能です」は悪魔の誘い

役立つ知識

 年金の受給開始時期についてたまにネットで見かけるのが、「いつ受給すればお得か」という記事です。たぶん、ライターがアクセス稼ぎに書いている記事だと思うのですが、そんなのは65歳からの受給開始の一択に決まりです。他の選択肢はありません。

 そもそも、年金受給開始を65歳ではなくそれ以降に繰り下げるという選択肢はあり得ません。

 今回は、その理由について、書きたいと思います。

「70歳受給開始にするデメリットには触れない」詐欺記事

 65歳ではなく70歳に年金の受給開始すれば、これだけお得!、という詐欺的な記事をよく見かけます。計算は正しいのでしょうが、受給対象となるのは「人間」です。その5年間に亡くなる方もいるでしょう。もし、そうなると、本来もらえるはずだった年金を全てどぶに捨てるようなものです。長年支払ってきた掛け金を年金として1円ももらえず、死ぬことになります。

 植物人間になるような重篤な疾患に罹患する方もいるでしょう。そうなると、自分では年金関係の手続きができません。代わりに手続きをしてくれる家族のいない人にとって、年金支給時期の変更手続きはほぼ無理でしょう。

 日本人の平均寿命から考えると、この5年間で死亡する可能性は低いと思われますが、現実には、70歳以前に多くの方が亡くなっているから、日本人の平均寿命は84.62 歳 (2020年)なのです。

 3人に2人が平均寿命まで生きられる可能性がある、ということのようです。そこで無責任に紹介するのが年金の繰り下げ。これにより、毎月、多く年金を受け取ることができますよ、という詐欺的記事です。しかし、それは机上の論理。騙されてはいけません。

そもそも、年金受給を遅らせようと考える人はお金に困っていない人たち

 70歳給付開始がお得ですよ、と言われてそのような手続きをする人は、そもそもお金に困っていない人たちでしょう。さまざまな収入があるので、年金など最初から関心がない階層かも知れません。すると、「お得ですよ」に釣られて手続きをするのではなく、税金対策が主な理由かと思います。下手に年金をもらうと、年収が増え、税金も増える。会社からの給与がなくなった翌年までその収入が反映され、高い税金が課せられる。

 「お得ですよ」に興味を抱き、受給年齢を繰り下げする人って誰なのでしょうか。

「お得ですよ」は真っ赤な嘘

 そもそも、年金の金額自体が低いのに、5年繰り下げしたことによる増額など微々たるものです。こんなお馬鹿なことをするより、その5年間に年金を受け取り使っていた方が良かったと後悔すると思います。

 その理由は、「老化」の進行です。人間、誰でも年老いて死んでいきます。老化を止める方法はありません。

 65歳の人が70歳でも同じ健康状態な筈がありません。老化が顕著に表れるのが「目」です。視力が低下し、眼鏡をかけても矯正しにくくなります。白内障、緑内障などの眼病はほぼ全ての人が罹患するようです。

 目がよく見えないのですから、調べ物もやりにくくなります。それに伴い、どんどん気力も低下します。目がよく見えないのですから、しかたありません。

 さらに、身体の衰えも顕著になります。人にもよりますが、身体の様々な部分に支障が生じます。歩くのが困難になると、旅行にさえ出かけられなくなります。

 さらに、泌尿科系の疾患。まさに、外出さえおっくうになる病でしょう。

 「お得です」とい記事を信じて年金繰り下げをしたけれど、いざ年金支給年齢になったら、お金を使うような活動ができない体になっていた。結局は、「大損」することになります。

 「年金繰り下げはお得です」という記事を書いている人は、単なる机上の話しを書くことに慣れた人なのだろうと思います。統計データを示し、それを根拠に数値上はお得です、個人差はありますが、と無責任な情報を発信しているように思います。

 年金は、お金を使えるときに使うのが一番。思考能力が低下してお金の使い道さえ分からない年令になってから、わずかばかりの割り増しの年金を受け取って何が「お得」なのでしょうか。

年金の金額比較ではなく、身体のバイタル指標を組み合わせれば「お得」とは言えないはず  

 結局、「年金の繰り下げ支給がお得」という記事の何がおかしいかを考えると、それは、受給者の健康状態を度外視した机上の計算だと言うことに気づきます。日本人の平均寿命と個々人の健康状態とは関係ありません。お金を使いたくても使えないような健康状態になったら「お得」など一切関係なくなります。「お得」ではなく、「損」をしているということです。使い道のないお金をもらってもうれしくもなんともない。

 痛風になったり、足の関節炎になったりすると観光旅行には行きづらくなります。歩けないからです。老後の楽しみが一つ消え去ります。

 目の疾患も旅行の楽しみを奪います。旅行ガイドも案内書も文字が読めないからです。視力が低下し文字が読み難くなると、気力や集中力が低下します。

子供や孫に残したい資産に年金を期待してはいけない

 机上の計算で記事を書く人たちは、所得階層が全く異なる受給者を同列に扱っていると感じます。

 所得の高い人たちはそもそも年金など関心がありません。年金など税金対象収入が税務署に補足されるので迷惑な存在なのでしょう。「国民皆年金」なので、掛け金をかけ、受け取らなければならない。年金受給を遅らせる人たちは、収入が税務署に補足されるのがいやな人たちなのではないかと思います。

 一方、一般的な年金生活者は、年金しか収入がない人たちです。このような人たちは、60歳からの繰り上げ支給も検討の余地があります。その方が結局は「お得」。体が動くうちに、気力があるうちに、年金を使って好きなことに散財する。これがベストな年金の使い方でしょう。

 「年金」って国からもらっているわけではなく、高額な国民年金保険料を長年支払ってきた見返りとして、納付金を返してもらっているだけです。その原資を国がどのように運用しているかは受給者には関係ないこと。国が原資を元手に運用して儲けて、年金受給額を増やしてくれれば良いだけのこと。つまり、国から支給されているわけではないということです。年金は自分のお金です。

 年金を貯めて子供や孫に残すなどもってのほか。そのお金は死に金です。自分で稼いだお金は自分で使い切りましょう。

 年金を貯めるのは社会の迷惑。社会の経済発展になんら貢献しないばかりか、それを相続した子孫にとっても良いことではないでしょう。遺産相続トラブルの元になります。使うのなら、生きているうちに使いましょう。

保険会社が決して言わない「高額医療費支給制度」

 保険会社の決まり文句は、高度医療を受けるとこれだけのお金がかかりますよ、という脅しの文言。ところが、「高額医療費支給制度」というものがあり、かかった経費の約半分が戻ってきます。

 管理人はこの制度を知らなかったのですが、今年1月、白内障の手術を受け、両目で2回、計6日間の入院をしました(なんでも保管庫3過去記事参照)。かかった経費は、合計で15万円くらい。しかし、役所に「高額医療費支給制度」の申請をしたら8万円強が戻ってきました。

 こんな制度があるなど知らなかったので「得しました」。

 さらに、郵貯の簡易保険に入っているのですが、入院が5日以降からが保証対象という契約内容のため諦めていたのですが、ふと、入院費支払い領収書を見たら入院が3日になっている。2回の手術なので合計6日の入院になり、保険の支給対象になります。問題は、2回の入院・手術が合算されるのかということです。郵便局(の保険センター)に確認したら、同一年の手術で同一の病名手術のため合算可能で保険金支給の対象になるということでした。先日、請求手続きしました。いくら支給されるか楽しみです。保険が適用されるのは結局5日を超えた1日分だけだと思いますが、手術の部分に期待しています。

 追記です。郵便局から振込通知が来ました。約15万円ほど振り込まれたようです。保険金をもらったことがなかったのでとてもうれしい。保険が適用されたのは5日を含めた2日分と、2回の手術料。簡易保険証を読み直してよかったと実感しています。