海外旅行で盗難にあった経験を持つ方は結構多いのではないでしょうか。
その多くは、滞在しているホテルで発生していると思います。
管理人は、こんな経験があります。
1. ロスのホテル・オオタニでの盗難
ホテルをチェックアウトし、荷物をフロントに預けました。出発便までは時間があり、買い物に出かけるためです。預けた荷物の中には、当時住んでいたコスタリカの通貨・コロンで30ドル相当の現金を入れた財布が入っていました。荷物を引き取ったところ、この財布の中身がない。
通常は、財布を残すような無謀なことはしないのですが、その時の心理状態としては、「中米の小国の通貨を盗んでも、米国内では換金できないから盗む人はいないだろう」、「日系ホテルで、しかも、預けた荷物の保管場所がフロントの直ぐ後ろで、盗まれることは無いだろう」、というものでした。しかし、現実には現金を抜かれてしまいました。
「通常はこんな無謀なことはしないのですが」と書いた理由は、以前、インドネシアに旅行したとき、同僚のトランクに入れてあった現金が抜かれたということを目の当たりにしていたからです。この時は、香港のトランジットで抜かれたのだと思います。でも、ロスの出来事は、金額が少ないということも気のゆるみにつながったようです。
現金は足が付きにくいので、泥棒の標的になります。
現金で足が付きにくい理由は、おわかりのように、自分が持っていた現金だと証明できないからです。
ところが、それを証明する方法があります。お行儀の良い日本人は思いつかない方法です。
その方法とは、・・・・。解答編は記事末です。
2.フィレンツェのいかがわしいホテル経営者
ホテルの盗難で最も多いのは、外出している間やシャワーを浴びている間に貴重品を盗まれること。 ほんのわずかな時間でも盗まれてしまいます。
フィレンツェに旅行したときのこと。ホテルを予約していなかったので、やっと見つけたホテルに到着して一安心。ホテルにチェックインを済ませ、早速、フィレンツェ見物に出かけました。ネコ師の奥様は、「疲れたから部屋にいる」というので、子供達と出かけました。
フィレンツェの市内見物を終え、ホテルに戻ると、ネコ師の奥様が怒っています。
一家全員で出かけたと勘違いしたホテルのオーナーが部屋に勝手に入ってきたというのです。
ネコ師の奥様がいるのを見ると、何も言わずに出て行ったとか。
オーナーを問い詰めても、「タオルの確認に行った」とか言い訳するのが目に見えています。
たぶん、到着してすぐの観光客は疲れていて油断していると思い、そこを狙って貴重品をくすねようとしたのだと思います。通常、ホテルに着いてから貴重品の有無を確認しておらず、貴重品がホテルで盗まれたのか、旅行中に盗まれたのか、旅行者自身でもわからないからです。
旅行者は、通常、短い日程で、しかも、旅程の変更ができないという状況で旅をしています。盗難にあっても、警察に届けるようなことはしません。せいぜい、ホテルを通じて警察に連絡し、後の処理はホテルに任せる、という方法を採らざるを得ません。ところが、ホテル側は、貴重品の管理は宿泊客の責任であると宿泊規程に明記し、その条件を理解した上で宿泊した客なのだから、盗難についての責任を採るつもりも、盗難事件が解決するために働きかけることもしません。
盗難に遭ってから、不満を辺りにまき散らしている人を見かけます。そのような人は、不都合があれば、すべて国のせいにしようとしますが、外国ではそれが通用しない不条理を痛感します。誰でも最初は授業料を払うと、あきらめが肝心。それがいやなら、貴重品は肌身離さず、が基本です。
解答編
外国の紙幣を見ると、よく書き込みがされていることに気づくと思います。単なるマークからイニシャルらしきもの、しまいには名前のフルネームから言葉までさまざまな文字が書き込まれています。
最初、何のためにこんな書き込みをするのか不思議だったのですが、どうやら盗難と関係があるようです。書き込みをした同じ紙幣が、いつの日か再び自分の元に戻ってくるかも、というロマンのある動機ではありません。
このような紙幣への書き込みは、日本の紙幣ではほとんど見かけることはありません。
それは、法律で禁止されているのも理由の一つでしょうが、やはり、日本人はお行儀がよいのだと思います。もし、日本人が紙幣に何か書き込むとしても、鉛筆を使うような気がします。外国では、当然、ボールポンやサインペンが主流です。
国民性の違いなのか、犯罪数の問題なのかはわかりませんが。
外国のホテルの廊下は街路と同じで、パジャマ姿で歩いてはいけない、などと、一昔前の旅行ガイドブックには書かれていましたが、治安の面からみれば、まさにその通りです。部屋の鍵を持っている人間はたくさんいると考えるのが当然の結論。ドアチェーンは不可欠です。
外国のホテルは、部屋にはいつでも誰でも入れる、ホテルや部屋に備え付けのセーフティボックスは泥棒のえさ箱、という認識が必要です。