気になるニュース記事の出典を追いかけてみる

こだわってみる

 ふとネットで見かけたニュース記事の中で、少し関心を引くものがあります。少しだけですが興味を持った記事。

 今回は、その記事ではなく、その出典を追いかけてみることにします。

Rakuten NEWSで見かけた気になる記事とは?

 管理人が少し気になったのが次の記事です。Rakuten NEWSで見かけたのですが、もともとは

 「山手線「高輪ゲートウェイ駅」の名称はJKに意外と好評!一方で一番嫌いな駅は……?」2020年3月8日配信、という記事です。


 Image: Rakuten Infoseek NEWS

 記事の中身はともかくとして、この記事で管理人の関心を引いたことは、「女子高生に人気」という統計データの出典が書かれていることでした。

 この手のニュースは、話題づくりのため、キャッチーなタイトルを付けて書かれているものの、その出典に関しては不明なことが多い。「女子高生が一番嫌いな駅は?」という記事であるのなら、そのデータの出所、調査方法、サンプル数などの基本的な情報が気になります。この記事には、珍しくそれが書かれています。

アンケート調査の出典
【調査概要】
調査主体 (株)アイ・エヌ・ジー調べ(https://www.i-n-g.co.jp/)
調査テーマ 【高輪ゲートウェイ駅開業に関するアンケート調査】
調査対象 女子高校生(15~18 歳)
調査期間 2020 年 2 月 17 日(月)~2020 年 2 月 27 日(木)
調査方法 街頭アンケート調査
有効回答人数 100 名

 出典とされているのが、「(株)アイ・エヌ・ジー」の調査結果のようです。リンクが記載されているので、早速、このサイトを見てみます。

アンケート調査を行った会社

 アンケート調査を行った会社は、「(株)アイ・エヌ・ジー(ING)」。渋谷にある会社です。

 2020年3月2日付けで「山手線の好きな駅嫌いな駅は!?高輪ゲートウェイ駅開業に関する女子高生アンケート調査を発表 」というニュースを配信しています。

 ここでは、調査方法などの基本的な情報がきっちり書かれており、とても信頼できる書き方になっています。

 ページをずっと読んでいくと、会社の説明の部分で「代表者  代表取締役社長 佐藤 康文」という記述に目がとまりました。

 「この人、どこかで聞いたことのある名前だなぁ。どこだっけ?」

 必死に記憶を辿ります。すると、以前アップした記事「この人の名前何ですか?:世界が注目するボブヘアの女性」の記事を書いていたとき、このモデルさんのオリジナル画像をアップしていた方が「佐藤康文」さんだったような記憶が甦りました。

 早速確認してみると間違いない。管理人の記憶力も衰えていないようで安心しました。

 確か、美容室の経営者兼美容師の方だったと思います。お店はカヤックバイハニー 渋谷店(KAYAK by HONEY)。場所は「渋谷」。あれれ、「(株)アイ・エヌ・ジー(ING)」の会社の場所の直ぐ近くじゃないの! 

 でも、もちろん別人です。同姓同名の方のようです。

 「(株)アイ・エヌ・ジー(ING)」という会社のホームページには次のように書かれています。

アイ・エヌ・ジーとは
 1990年からティーンをターゲットとしたマーケティング及びプロモーション事業を行っています。渋谷にメイクコーナー、ドリンクバーを完備した高校生が無料で自由に出入りできるフリースペースを設け、10代のメンバー会員が約3,000名在籍しており、平日毎日学校終わりの高校生が弊社に集まっています。ティーン市場におけるマーケティングリサーチからプロモーションまでトータルサポート。SNS・インフルエンサー・クチコミプロモーション等を始めとした独自のプロモーションでトレンドの中心にいる女子高生と企業様の橋渡しをしています。
出典: [株式会社アイ・エヌ・ジー HP]

 なるほど。女子高生のトレンドに詳しいはずです。

 このような会社の発信する情報であれば、ある程度信頼できそうです。調査方法も、期間も、対象も、場所も、サンプル数もしっかり書かれています。女子高生を雇って、女子高生を対象とした街角インタビューをやっているのでしょうか。調査者も調査される側も女子高生であれば、オヤジの調査員がやるより、得られるデータは信頼性が高いという気もします。

 テレビの番組で、「100人に聞きました」、とか、「100人のうち○○人が知っていた」的なものがありますが、このような会社が関係しているのでしょう。

 テレビ番組の中では、調査方法等の具体的な情報はなく、いつもうさん臭いと感じていたのですが、少なくとも、女子高生についてのアンケートでこの会社が行ったものであれば、信頼できそうです。

 

 やらせ番組を平気で放映し続けるテレビ局が報じる内容は、疑ってみるのが基本。もし、本当のことだとしたら、そのソースを開示しているか、これが二番目の視点。開示しているとしたら、ソースと同じ事が間違いなく報じられているか。これが第三の視点。

 ソースを開示しない時点で、やましいことをやっているのだろうと想像できます。

 テレビもネット情報も信用できない。新聞は最初から問題外です。信頼できる情報を見つけるのに苦労します。