布製マスクは危険だとする根拠のない情報が垂れ流されている現状に・・・

生活編

 新型コロナウイルスの流行の当初から、管理人は、メディアの報道内容に疑念を抱いていました。

 今日は、その内容を詳しく書きたいと思います。

 「マスクはウイルス感染には役立たず、むしろ危険」とか、「布製マスクはイギリスの論文で役に立たず、むしろ危険と証明されている」といった情報を、何ら出典を示すことなく情報を垂れ流しているメディア、サイト、そして、国会議員がいます。

 まあ、一般サイトは問題外ですが、困るのは、主要なメディアや国会議員がニセ情報を発信していること。

 かれらの出典とは、どこかのメディアが発した「WHOが言った」ということを信じ、何ら罪悪感なく、情報を発信しているのでしょう。出典とされるイギリスの論文って、誰か読んだの?  ボーッと記事書いてんじゃねーよ!

 管理人は、当初から、この情報が違うと感じていました。

メディアのニセ情報

 もし、仮に、「マスクは感染防止に役立たない」、という記述が本当だとしたら、それは、前提条件があるはずです。案の定、全ての情報の出典とされる論文には、きちんと前提条件が書かれています。なにしろ、論文のタイトルが「医療従事者における医療マスクと比較した布マスクのクラスター無作為化試験」1) ですから、一般論の話をしているわけではありません。

 WHOのマスクに関する情報発信内容をよく読むと、 医療従事者への医療用マスクの供給不足 が心配され、パンデミクスに陥れば、不足するマスクにより医療従事者が感染するリスクが増大する。このため、一般の人は、医療用マスクを求めるのをやめて欲しい。医療現場で毎日大量に使う医療用マスクが入手困難となり、その結果、医療従事者が感染すれば、医療崩壊が起きるのは時間の問題となるから。まさに、WHOとしての切迫した要請でした。

 この趣旨が誤解され、あるいは意図的に曲解され、”マスクが役に立たない“、という誤った情報だけがメディアを通じて流されました。もし、マスクが感染防止に役に立たないのなら、医者もマスクは不要では? こんな矛盾も感じずに、メディアはニセ情報の発信を続けました。「WHOがマスクは役に立たない」と主張していると。この状況は今も変わりません。

 論文では、「研究によると、呼吸器感染症は、医療用マスクと比較して、布製マスクを着用している医療従事者の間ではるかに高い」とし、「 医療現場では布製マスクを使用しないでください。 」としています。2)

 あくまでも医療現場の話です。医療関係者の感染リスクを抑えるための論文です。一般の人のマスクの使用は全く別次元のこと。そもそも、論文は、一般人のマスクについては論じていません。

 同じ事ではないか? 本当にそうでしょうか。全く違うことなのは、ほんの少し考えただけで分かります。100%ウイルス感染者、それも多くの感染者と毎日接する医療従事者と、誰が感染者なのかも分からない一般的な生活を送る人とでは、リスクが違います。

 まだ、納得しないのであれば、もう一つ。それほど心配なら、マスクだけでなく、防護服を着たら? マスクのことだけ考えるのはそもそも間違っている。マスクのことだけ着目するっておかしいでしょう?

間違った情報を鵜呑みにする困った人たち

 さて、ここまで読めば、以下の情報発信がおかしいことが分かりますよね。


    出典:TikTok

 この直前のTikTokのシーンでは、「5年前に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを調べたところ、布のマスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったという。」というテロップを流しています。それにより、自らの主張の根拠付けをしているようです。笑えます。

 まず、これを読んで直ぐにおかしいと気づかなければなりません。なぜ、医療従事者が布製マスクを使っているのか(笑)。

 結局、論文も読まずに情報を発信している証です。

 誰が考えてもおかしいでしょう? 医療従事者が使い捨てではなく、布製マスクを使っているなど。

 その答えは、研究サンプルがベトナムのハノイの医療現場だからです。これって、最初から前提条件が違います。

 TikTokで情報を発信するのもいいけれど、税金で調査費が支給されている人が、こんなレベルの(メディアの)情報を根拠に国政についての発言をされては困ります。少しは調べろよ。

 論文では、「粒子による布マスクの浸透は44%の医療マスクと比較してほぼ97%でした。」としています。そんなのは当たり前のこと。そのための医療用マスクなのですから。医療現場で布マスクが使われていたこと自体、異常な状況と言えます。メディアは、この数値を、何の前提条件も示さずに垂れ流しています。

 そもそも、研究論文で、なぜハノイの病院がサンプルとして選ばれたのか。結局は、イギリスとは違い、医療レベルが低く、布製マスクが医療現場でも使われていたからです。

 この研究成果は、感染のリスクが高い医療現場におけるものであり、44%、97%という数値は、一般生活を送る私たちのレベルには適用できません。えっ、同じではと思ったあなた。論文発表者にメールで確認してみたら(笑)。

 そもそも論文執筆者は、「マスクは感染症からの保護がパンデミックに効果的に取り組む能力を維持するための鍵であるため、最前線の医師や看護師にとって特に重要です。」と言っています。マスク不要論を主張する唯一の出典であるこの論文が、まったく逆のことを言っているのです。

 マスクが役に立たないなど、誰が言ったのでしょうか?  誤報道ではすまされないことです。人の命に関わることなので 

 メディアが垂れ流す「マスク不要論」の根拠は、原典では書かれていないことが分かります。メディアは何を根拠に主張するのでしょうか。今後予想される訴訟に備える必要があるでしょう。WHOはそのようなことは言っていない。少なくとも、WHOは医療従事者のことを最も重視しています。医療従事者への感染が広がれば、治療する人がいなくなるので。

本当に頼りになる自衛隊

 東日本大震災の際に、活躍した自衛隊。被災地の方はとても感謝しています。それもその筈。多くの遺体を収容したのが自衛隊の隊員の方々だからです。

 マスコミは、意固地になって自衛隊の活動は報道しません。被災地の方々が感謝しているなどの報道はほぼゼロ。

 今回の新型コロナウイルスでも、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」に2700人もの隊員が派遣されていたなどとは一行も書きません。

 人の揚げ足ばかりとり、あら探しばかりしている自らの報道姿勢が恥ずかしく、自衛隊が評価されることに嫉妬しているのでしょうか。

 その自衛隊が、1人の感染者も出さずに任務を終えました。そして、ネット民の間で待望の具体的な感染予防対策が記された陸上自衛隊東部方面衛生隊が作成した「新型コロナウイルスから皆さんの安全を守るために」という39ページのPDFファイルを2020年4月14日、防衛省が公開しました。

 実戦をくぐり抜けてきた人たちの発する情報は、説得力があります。

 ネットで見かける(本物かどうか確認できない)医者の書き込みや、マスコミに登場する(自称)感染症専門家の人たちの発言よりも説得力があります。この人たちって、文献の情報や患者から聞き取った話しか情報源を持たない人たちなので、今回の病気の全体像が掴めていない。

 もし、情報が間違っていても、いくらでも逃げ道を用意している人たちです。

 それに比べて自衛隊のPDFは、1人の感染者も出さなかったという実績に裏打ちされた具体的な対策が書かれています。まさに、どの情報よりも着目すべき内容なのではないでしょうか。

 例によって、マスコミはこれを報道しないのでしょうね。人の命に関わることでも、自衛隊に利することは報道しないという自らのスタンスを守るという、素晴らしいマスコミの姿勢。

 本当に素晴らしい! 本当にすばらしい! 本当にすばらしい! たいしたものだ! よっ、日本一。

 どっちを向いて仕事をしているのでしょうか。報道を読むたびに、おまえが言うなよ、と思ってしまうのは管理人だけでしょうか。

こんな状況になっても画面タッチを求めるコンビニの異常

 コンビニでたばこを買うとき、年齢確認の画面タッチを求められます。管理人は以前からこれがとても嫌だったのですが、ファミマやローソンでは、現在もこれを強いられます。

 見れば分かる年寄りに、未成年ではありませんの確認ボタンのある不潔な画面をタッチさせるという考えられないことをコンビニは購入者に強いています。頭がおかしいとしか思えない。

 ファミマやローソンは、本気で対策を考えていない証拠です。たしか、セブンイレブンは、店員が判断して、管理人のような年寄りは汚らしい画面を押す必要はありません。ファミマやローソンは相変わらずです。

 たばこを買った人は、たばこの吸い口を指で触ります。もし、タッチパネルが汚染されていたら、感染するのは目に見えているとても危険なことです。たばこを買って直ぐに吸う人は、手洗いなどしていないので、高い確率で感染するでしょう。

 日本での感染拡大の原因は、コンビニのタッチパネルだった! お笑いでは済まされない重大な問題です。

メディアの中で『J-CASTニュース』が優れているかも

 メディアとは、ニュースなどを発信しているサイトだけではなく、検索サイトも含みます。発信されたニュースを取り上げるか否かは検索サイトの責任で行われているからです。

 「煽り記事」、「煽りニュース」を検索・まとめの上位に表示するか否かはサイトの運営会社が全権限・責任を負っています。

 検索サイト・ニュースサイトでひどいのは、「Yahoo」や「MSNニュース」ですね。ちょっとひどすぎる。今回のような非常事態に全く対応できていないのが「Yahoo」です。「Google」は対応しているようです。

 「NHK」はどうかというと、当たり障りのない記事を配信しているのでは本末転倒です。もっと危機意識を持って欲しい。

 管理人が評価したいのは『J-CASTニュース』です。

「神奈川県医師会が、『「不安をあおるメディア」に投げかける疑問 「医療現場の現実を、知ってもらいたいのです」』という長文の記事を配信しています(2020年04月18日)。

 『J-CASTニュース』の本気度が窺える、とても内容のある記事になっています。ぜひ、ご一読を。

記事を書くのは勝手だけど

 いろいろな人がニュースサイトなどのコラム欄に記事を書いています。

 そのほとんど全ては、読むに堪えない内容です。もっと言えば、フェイク情報を広めるのに荷担している記事です。

 記事の内容に信憑性を持たせるために、たくさんの引用を使っていますが、そもそも、その引用先の情報がとても怪しいもので、その情報を根拠に論理を展開されても困ります。とても滑稽な記事のように管理人には映ります。所詮は素人が、ネット情報だけで書いている記事です。そのネット情報が正しいかどうかには無頓着で、誤った情報を発信しても、何ら罪悪感を感じない人たちなのでしょう。出典に書いてあったから、と言い逃れができると思っているのでしょう。

 新型コロナウイルス関連の記事を見たら、出典が明示されているか、その出典は信頼するにたるものなのかを常に意識する必要があると思います。

 信頼できるサイトは簡単に分かります。それは新型コロナウイルスについては、感染源も治療方法も免疫も何も分かっていないと書いてあるサイトです。そして、この前提の上で、現在分かっていること、今後の展開を過去の事例に基づき、ひとつの可能性として提示しているサイトです。

 分からないから何も書けないのではなく、新型コロナウイルスが過去の類似ウイルスと同じような性質であると仮定した場合の対処法や今後の展開を説明しているサイトです。

 このような視点でニュースを読んでみて下さい。どのニュースも役に立たないことが分かります。結局、正確な情報を発信しているのはジョンズ・ホプキンズ大学だけのように思います。

 厚生労働省が推進してきた「医療機関のダウンサイジング」が裏目に出た今回の医療崩壊騒動。病院の経営に主眼を置いた政策が裏目に出たということです。日本の医療がおかしいことが今回の騒動で明らかになったのではないでしょうか。管理人は過去記事でこの問題を指摘しています。大病院の前に薬局が5軒も軒を連ねて存在する現状。そのようなおかしなことがまかり通る現状を見直す機会かもしれません。

 しかし、現在は、そんなことは後回しにすべき。今は、新型コロナウイルス感染をいかに早期に収束させるかが最優先の課題です。マスコミもこの深刻な現状を理解して、節度ある報道をして欲しいものです。まあ、無理でしょうが。

更新:
初版:2020.4.15 18:07
更新:2020.4.18 04:30
更新:2020.4.28 01:45

出典:
1) ”A cluster randomised trial of cloth masks compared with medical masks in healthcare workers
2) ”Cloth masks: Dangerous to your health?“、ScienceDaily ニューサウスウェールズ大学、2015年4月22日