久しぶりにローストビーフを作ってみました。いつもは、肉が硬くなり、パサパサした食感でおいしくできなかったのですが、今回はとてもおいしくできたので、忘れないうちにメモしておくことにします。
どれほどおいしいかは、上の写真を見れば想像できるでしょう。
失敗しないローストビーフの作り方
牛もも肉塊 500g
塩、こしょう、ハーブ 市販のセットを使用
オリーブオイル 大1
【作り方】
1.肉は常温に戻す(これは絶対条件)。
2.肉に塩コショウ、ハーブをすり込む(今回は市販のセットを使用)。
3.温めたフライパンにオリーブオイルを入れ、肉塊のひとつの面をきっちり1分焼く。6つの面を同じ時間、均等に焼く(見た目ではなく各面を焼く時間を同じにすることが大事)。
4.表面を焼いた肉をラップで空気が入らないようにきちんと包む(水が浸入しないように)。これを繰り返し三重のラップ巻きにする。この塊をアルミホイルでしっかり包む。
5.肉が隠れるくらいの深い鍋にお湯を沸かし、沸騰したら肉を投入しフタをする。中火で8分ゆでる(途中で、肉を上下反転する)。
6.ゆで終わったら火を止め、そのまま30分置く。
7.30分経過したら肉をお湯から取り出し、室温で放置。2時間程度。
肉の塊をラップした上でアルミフォイルで包む理由は、やってみると分かります。ラップだけだとゆでるときの鍋が高温になっているため、ラップが溶けてしまうからです。アルミフォイルで包むことで、ラップが鍋肌に直接触れることを抑える効果があります。
おいしく作るコツ
上の工程で、肉の表面を焼くところがポイントです。最初の面は焦げずに焼けますが、残りの面を焼く頃には、肉の表面にまぶしたコショウが焦げだし、焦げ目が早く付きます。ここで重要なのは見た目の焦げ目ではなく、肉の内部への熱の伝わり。このため、焦げ目の程度ではなく、焼く時間を優先します(タイマーで各面、きっちり1分焼く)。最初に焼いた面にもう少し焦げ目を付けたいときは、最後にその面を10秒程度焼くと簡単に焦げ目が付きます。くれぐれも焼きすぎないように。肉が硬くなってしまいます。
ローストビーフの切り方が大切!
次に、肉の切り方。ローストビーフは肉を薄くスライスすることで、柔らかな食感になります。
- 肉の塊を見て、繊維の方向を見つける。
- パン切り包丁で、肉の線維の方向と直角にスライスする。
- 包丁は小刻みに動かしてスライスする。上から押しつけないように。
これできれいにスライスできる筈です。スライスする幅はできる限り薄くします。やってみれば分かりますが、とても薄くスライスできる部分とちょっと厚くなっちゃった、という部分もあります。幅何ミリでスライスと書かれてもそんなことはできない。
なぜ、おいしくできるのか
様々なレシピをみていろいろ試したのですが、うまくできない。
肉の中央をレアにしようとすると、焼いてから常温に戻している間に大量の肉汁が出てしまう。火をあまり通していないので、出てきた肉汁は血の池状態。
これが嫌なので火を入れすぎると、肉が硬くなり、パサパサになります。
今回のレシピの特徴は、「お湯を使う」ということ。焼くと表面は数百度になりますが、肉の内部の温度が分からない。焼く時間も肉の厚さで当然変わるはず。肉の厚さが違うのに、焼く時間で管理しようとすること自体、そもそもの間違いの元。
一方、表面をしっかり焼いて、後はゆでて火を通すという今回の方法は、温度の管理がやりやすい。水は最大でも100℃までしか上昇しません。このため、ゆで時間の許容幅が広がります。
今回、肉にすり込む塩やハーブは市販のセットを使いました。ソース付きのものです。できあがったローストビーフは、とても柔らかジューシーで、何も付けなくてもとてもおいしい!
肉汁もあまり出てこないし、何より血がどばーっと出てくるようなことはありません。それなのに、肉の中心部分はレアです。
ソースを付けてもおいしい! ホテルや市販のローストビーフよりもおいしい。
ちなみに、管理人は、この手の肉はほとんど食べないので味見程度です。その管理人が食べてもおいしいと感じたのですから、味は保証します。
息子に食べさせたら、完食でした。
付け合わせはフライドポテト。ジャガイモを皮付きのままカットして素揚げしました。この味、ボリビアを思い出します。
ついでに、ジャガイモは本来、皮付きで戴くのが基本。 ジャガイモの原産は南米アンデス山脈の高地といわれています。
管理人が以前住んでいたボリビアのマーケットに行くと、たくさんの品種のジャガイモが売られています。
今回、皮付きのジャガイモのフライを食べて、すぐにボリビアのことを思い出しました。こんな事はこれまでなかった。 ジャガイモなど根菜類は、皮にこそ味がある。
皮をむいて、さらに水に浸してアクを取るなど、食材のうまみを殺す調理法を紹介している料理人、レシピの何と多いことか。
ここで日本国民に問います。いや、お願いします。
本当においしい料理は自分の舌で確認して!
野菜の皮をむきたがる日本人
アクを取りたがる日本人
何にでも醤油を使いたがる日本人
この「日本人」の部分は、「テレビで人気の料理人」に置き換えてもよいかも。