昔の人たちが使っていた時間と空間を把握するための円盤

古代の謎・歴史ヒストリー

 テレビを見ていると、「これってためになる知識だ」と感じることがありますが、残念ながらそれはすぐに忘れられてしまいます。

 今日は、録画したテレビの番組にあったおもしろい話題をメモします。

 2015年9月4日放送、TBSの『林先生が驚く初耳学!』という番組の中で、林先生が説明していた内容です。

 「子の刻」とは午前0時を中心とする2時間。その反対に位置する「午の刻」のことを「正午」という。それより前を「午前」、それより後を「午後」という。

 時間を知るための物差しを人は空間にも使った。午前0時が北、正午が南と東西南北をあてはめた。

 陰陽道(おんみょうどう)では、東と南が「陽」、北と西が「陰」になる。「陽」と「陰」がぶつかるところは危険だ。鬼が来る。それが「鬼門」とされ北東の方角になる。鬼は「丑の角」に「寅のパンツ」をはいている。北東が「丑寅」だからだ。

 鬼をやつける昔話はいっぱいある。たとえば、「ももたろう」。鬼門から来る鬼をやっつけるには、反対側から行けばいい。どんなものを連れて行けばいいか。「申」と「酉」と「戌」を連れて行く。

陰陽道円盤
     Source: ネコ師

 昔の人は、この円盤を一枚頭に入れるだけで、自分たちの周りの空間も時間も全部理解できた。
 以上が林先生の解説でした。なかなかおもしろい。

 以前から不思議だったのが、桃太郎の家来はなぜ、イヌ・サル・キジなのかということ。鬼と戦うにはどれも弱すぎるキャラクターです。しかし、裏鬼門という隠し呪文があったとは。まさに、ロールプレーイングゲーム。そう考えると、家来を購入したアイテム「キビダンゴ」も何か深い意味がありそうです。イヌ・サル・キジはキビダンゴを食べないし、これも不思議です。

 「それは単なるお話」と片付けてしまうのでは、「あなた、脳みそが溶けているんじゃないの?」と突っ込みを入れたくなる。昔話は奥が深いです。

 Yahoo知恵袋の「どうして桃太郎の鬼退治の家来はイヌ、サル、キジですか? 」という質問に対する回答は、「儒教的解釈では、サルは智、キジは勇、イヌは仁を表すともされているそうです。文字通り 智は知恵で賢さ。勇は勇気。仁は人徳・忠誠心などです。」がベストアンサーでしたが、答えになっていないのがおわかりでしょうか。林先生の解説は説得力があり、すんなり理解できます。もちろん、たくさんある解釈のうちの一つでしょうが。ただ、林先生の説明では、裏鬼門に当たる「未」が入っていません。説明が上手なので聞き逃してしまいますが、先生の説を採るならば、「丑・寅」に対抗するには「未・申」を連れて行く必要があります。

 日本にはヒツジは古来からいたようですが、「動物遺体の出土事例も報告されていないことから、ほとんど伝わらなかったものと考えられている(Wikipedia)」だそうです。ヒツジを家来にしたくても身近にいなかったのかもしれませんね

 この円盤はExcelで作りました。ほしい方は、こちらからExcelファイルをDLしてご自由にお使いください。色を変えたり、好きなように加工できるので、便利かと思います。
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