タオルの生乾き臭を完全に取り除く方法

生活編

 お風呂あがりにバスタオルを使うときに気になる”生乾き臭”。こんなタオルで体を拭くのはぞっとする。

 特に、湿気の多い今の時期は、タオルを天日干ししても、濡れると悪臭を放つことも。

 この解決策をNHKの『ガッテン!』でやっていたのでまとめてみました。

生乾き臭の原因

 生乾きのニオイの原因は、『モラクセラ菌(モラクセラ・オスロエンシス(Moraxella osloensis))』。2012年にこの細菌が臭いを発生させている原因であることを解明したのが花王の研究所に勤める久保田浩子さん。

 モラクセラ菌は人の肌などどこにでもいる常在菌。これが増殖するときにあのイヤな臭いを出すことを突き止めました。湿っているときに増殖します。

 この菌は、洗濯すると洗い流すことができるのですが、長期間使ったタオルには菌が積み重なり、それがタオルの繊維と絡まり、バリアのような役割を果たすことで、洗っても簡単にはタオルから離れなくなります。これが洗濯したのに生乾き臭が発生する原因でした。

生乾き臭を根絶する方法

 生乾き臭が発生しないようにするには、モラクセラ菌のバリアを除去することが重要となります。そのための方法は以下の三つがあります。なお、モラクセラ菌の死滅温度は60℃です。

1. アイロンをかける

 洗ったばかりのタオルにアイロンをかけて、その熱でモラクセラ菌を殺菌します。

2.洗ったタオルをコインランドリーの乾燥機で乾燥させる

 コインランドリーの乾燥機は、80~120℃の高温の熱風が吹き出ます。これにより、殺菌することが可能です。家庭用の乾燥機は、60℃程度の温風のため、湿ったタオルを60℃以上にすることはできず、モラクセラ菌の殺菌効果は薄い。

3.酸素系漂白剤を40~50℃のお湯に溶かし、その中にタオルを15~20分間浸ける。

 なお、50℃以上のお湯を使うと、漂白剤の反応が強すぎるため、生地を傷めてしまう恐れがある。また、酸素系漂白剤で除菌効果が大きいのは粉末タイプです。

殺菌処理の頻度

 上で示した三つの方法のいずれかを、一月に1回程度行えば、ニオイは発生しないそうです。モラクセラ菌がバリアを形成するのに時間がかかるため、月1回の処理をしておけば、通常の洗濯でモラクセラ菌を洗い流すことができるそうです。

ヨーロッパ人は、生乾き臭を知らない

 ヨーロッパでは、洗濯の時、60℃以上のお湯で洗濯するため、生乾き臭とは無縁なのだそうです。これは、中世にペストが流行して以来の洗濯方法で、現在まで引き継がれている衣類の高温殺菌方法。

 ヨーロッパの洗濯機は高温で洗濯できるものが主流ですが、日本の洗濯機は、50℃以下でしか使えないものがほとんど。高温のお湯での洗濯を想定した洗濯機の設計になっていないのです。

 誰でもが不快に感じるあのニオイを回避できることを知り、とても参考になりました。

出典

『ガッテン! 梅雨も快適に! いや~な部屋干し臭 一発解消SP』、2017年6月14日放送、NHK
Moraxella Species Are Primarily Responsible for Generating Malodor in Laundry、Hiromi Kubota他、2012″