帳簿などで、数値の桁数が多くなると視覚的に読みにくく感じるときがあります。
特に、100万を超える数値になると、位取りを間違えてしまうリスクが増加します。
桁数が多い場合は3桁毎に「,(コンマ)」を入れます。しかし、大きな数字に慣れていないと、この3桁区切りもあまり役に立ちません。
例えば、 51,123,321,548 など。何億? もしかして”兆”?
この3桁区切りは、英語やスペイン語などでしゃべるときには便利なのですが、日本語の単位区分は3桁毎ではないため不便です。
下の図からも分かるように、[万]、[億]、[兆]は4桁区切りになっています。これが、Excelのセル表示設定を難しくしている原因となっています。
桁まちがいのチェック用など自分用に[万]、[億]という単位で表示したいときがあります。式を使えばできないことはありませんがとても長い式になるので、[セルの書式]で設定できるといろいろと便利です。
今日は、[セルの書式設定]からこれを表示する方法をご紹介します。[万]と[億]が併存した書式設定を紹介するのはこのサイトが初めてかも。[億・兆]設定も紹介します。
数値を[万・億]単位で表示する方法
下の画像のように表示する方法です。
1.[万・億]単位で表示させたいセルの範囲を選択する。
2.右クリックしメニューから[セルの書式設定]を選択する。
3.[表示形式]タブの[ユーザー定義]をクリックする。
4.以下のコードを入力し、[OK]。
(注:最後の桁が四捨五入されて表示されます。)
[>=100000000]0!.00,,”億”;[>=10000]0!.0,”万”;0
数値を[億・兆]単位で表示する方法
さらに桁数が多い場合に表示する方法です。B列に書式設定をしてA列の数値を表示しています。
[>=1000000000000]0!.000,,,”兆”;[>=100000000]0!.00,,”億”;#,#00
今回紹介した方法では、[万・億]や[億・兆]のように二つの単位しか設定できません。[千・万・億・兆]などすべてに対応させるには、セルの書式設定では無理なので別の方法を採る必要があります。
数値を漢数字で表示できますが、これだとすべてが漢数字に置き換わるため実用的ではありません(上の図のC列が漢数字表示です)。ネット上で、この漢数字機能を紹介している記事をたくさん見かけますが、誰も使わない機能でしょう。
「百二十三兆四千五百六十七億八千九百十二万五千四百九十八」と表示できてもしょうがない。
「123兆4567億8912万5498」という表示の方が日本人には見やすい。関数式でも作れますが、途中でくじけました。自分で使わないので。
暇な方は作ってみて下さい。IF文で、兆の位(10の12乗)を超えるかイコールの場合、兆の位の値をINT関数を使って抽出し、”&”でつないで”兆”と表示し、さらに、IF文を使って、億の位(10の8乗)で「兆未満で億以上」という条件を”AND”関数で設定し、INT関数で「兆」を超える部分を除いた残りを抽出し、”&”でつないで”億”と表示する・・・・・。このような作業を延々と繰り返すといつかは完成します。
こんな文章を読んでも何のことかさっぱり分かりませんよね。
以下に、途中までバージョンをアップします。「一行で書けば」というサンプルです。
セル[A33]に 1,234,567,891,234 という数値が入っています。
セル[B33]に、以下の式が入っています。
=IF(A33>=10^12,(INT(A33/10^12)&”兆”&INT((A33-INT(A33/10^12)*10^12)/10^8)&”億”&INT(A33-INT(A33/10^8)*10^8)/10^4)&”万”,”作りかけ”)
上の式の”作りかけ”の部分を、さらにIF文を使って下位の桁まで作っていきます。
上の式でIF文を削除(以下の式)すると、”兆”以上の数値にはそのまま使えます。
=(INT(A33/10^12)&”兆”&INT((A33-INT(A33/10^12)*10^12)/10^8)&”億”&INT(A33-INT(A33/10^8)*10^8)/10^4)&”万”
この場合、”兆”以下だと、”0兆○○億・・”と表示されますが。
IF文以外にもやり方は本当にたくさんあります。EXCELには一つの解答というのは存在しないのではないかと思います。