日干しレンガは、乾燥地域の国々の重要な建築材料です。
ボリビアの田舎では、今でも日干しレンガ(アドベ)で家を造っています。
この日干しレンガの中に、伝染病を媒介する虫が卵を産み付けたりして、衛生上の問題もありますが、他に家を建設する材料がないため、依然としてアドベが使われています。
さて、壁は、日干しレンガで作るとしても、屋根はどうするのでしょうか。茅葺きの屋根?
いえいえ違います。
ボリビアの高地は、茅が密生するような水のある場所ではありません。背丈の短い植物しか生えていません。
ボリビアでは、屋根も土で作ります。ただし、日干しレンガだと重くて弱いので、屋根瓦だけは焼いて熱を加え、強く、軽くします。
ボリビアを旅行したとき、たまたま瓦屋根を作っている現場に出くわしたので、その工程を写真におさめました。
下の家の屋根瓦を家族総出で作っていました。
きっと、新婚の息子のために新築しているのだと思います。
ボリビアの瓦屋根の作り方
瓦屋根づくりに使われる道具はいたってシンプルです。
木製の作業台、金属製の枠、粘土を均す棒、瓦の形に整形する木型、バケツ、このくらいのものです。
まず、粘土を近くから採取します。それにワラを加えよく混ぜ、練ります。
粘土だけで作っているわけではありません。アドベの場合も作り方は同じです。
これを、金属製の枠の中に丁寧に押し込んでいきます。
枠の中に粘土が収まったら、表面を平らに均します。
これを瓦の曲線形をした木型の上に滑らせるようにして移動します。
形が崩れた部分を水をつけた金属棒で直しながら、木型になじむように整形します。
この木枠から地面に移動する作業が一番難しそうでした。
粘土が柔らかいため、形がくずれやすくなります。
この家族の場合、3,000枚作るそうです。
単純そうですが、乾燥の段階で壊れたり、ひび割れたりするので、余計に作っていると思います。
天日で乾燥させ、かまどで焼いてできあがりです。焼成する工程は、残念ながら撮影できませんでした。