写真に写っているある対象物から、別の対象物の大きさを推測することは可能です。
特に、二人で並んで写っている写真の場合、誤差を最小限に抑えることができるので、計測精度は高い・・・・筈です。
では、計測精度はどの程度なのでしょうか。
実際にやってみたいと思います。
サンプルとして、下の写真を使います。Wikipediaで公開されている有名なツーショット写真です。
ここで、マッカーサーの身長は183cm、昭和天皇の身長は165cmであったとされているので、今回はこの数値が正しいものとして基準値に使用します。
写真の計測ソフト
写真の中の対象物の計測には、定規ソフト「HiRuler v1.35」を使います。このフリーソフトはVectorからダウンロードできます。
ソフトを起動し、まず、マッカーサーの身長を計測します。下のラインは踵に合わせます。
計測誤差を少なくするために、3回計測し、その平均を算出します。その値は「142.22」でした。この値は無次元です。
同様に天皇陛下の身長を計測します。計測値の平均は「129.08」でした。
マッカーサーの身長183cmに対する天皇陛下の身長は、166.09cmと算出されました。誤差は1cmです。
今回基準値とした数値は、実際のところ、いつ時点の身長なのか不明です。人間の身長は年齢により2cm程度変化します。この意味において、今回の計測のためにはあまりよいサンプルとは言えないのですが、算出された数値は妥当な範囲に収まっているように思います。
この写真をサンプルとして使った理由は、計測誤差が少ないと思ったからです。二人の人物がカメラに対して横一線に並んでいます。
現在ではスマホのアプリで、スマホ画面に映っている対象物までの距離を計測できたり、高さを計測できたりととても便利になりました。
管理人がこれらのアプリを使っていて思うのは、やはり誤差についてです。
誤差を補正する方法はいくつかあるのですが、大学時代の測量実習でスタジア測量の誤差が大きくて補測を行った経験のある管理人にとっては、アプリに表示されている数値は信用できないと感じます。角度を用いるスタジア測量は誤差がとても大きくなります。
実習における補測とは、測量のやり直しを意味します。所定の最小誤差の範囲内に収まらなかったためのやり直しです。測量のやり直しって、恐ろしく労力のかかる作業です。だから、この時の経験がトラウマになっています。管理人は、スタジア測量は信用しません。角度の誤差は距離に対してとてつもない誤差を生み出します。
今回計測に使った定規ソフトは、「そうそうTOWN」の管理人「そうそう」さんが作られたもので、使い勝ってがとても良いと思います。
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