何だこれ!人間の動きじゃない!壁を登る猿王の真相に迫る

ミステリー

 まずは下のGIFを見てください。

 たまたま見かけたGIFアニメーション。とても不思議な動きに見えます。こんな動きを本当に人間ができるのでしょうか。重力に完全に逆らっているように見えます。命綱もなくこんな動きは可能なのでしょうか。

Life is about overcoming obstacles.


The LoL Gifs 2012/4/12

 管理人が驚いたのは、逆さまになった状態から体を上下反転させる動きです。とても早くてよく見えないのですが、通常、このような動きをすると身体が壁から離れてしまい・・・落下します。

 何ら器具による安全確保を行わずに両手両足だけで登っています。

 ロッククライミングをする人の驚異的な動きも見たことがありますが、逆さまになることはないでしょう。しかも、完全に垂直の壁です。

 ボルダリング競技では下にマットが敷いてあるので、もし、落下しても安全は確保されているようですが、このGIFの男性は城壁をよじ登っているように見えます。落ちればあの世行き。

 これはフェイクなのでしょうか? それとも実写なのでしょうか?

 早速、調べてみます。

なんと、実写だった!

 いろいろ探し回り、やっと動画を見つけました。これはフェイクではなく、実際に撮影された動画でした。


No Comment TV 2009/07/30 に公開

 この動画がYouTubeに最初に公開されたのは2009年7月30日のこと。今から10年も前のことです。

 動画の撮影場所は、南インドのチトラドゥルガ城(Chitradurga Fort)です。


 

チトラドゥルガ城の城壁 Image: Wikipedia

 この砦は11世紀から13世紀の間段階的に建設されたようですが、15世紀から18世紀にかけて大幅に拡張されているので、現存する城壁がいつの時代のものなのかは不明です。

壁をよじ登っているのは誰だ?

 動画で、垂直に切り立った壁をまるで猿のようによじ登っているのは誰なのでしょうか。ボルダリングの世界大会に出場すれば、間違いなく優勝しそうです。

 この男の名はジョジ・ラジュ(Jyoti Raju)。1987年にタミル・ナードゥ州( Tamil Nadu)で生まれ、現在 31歳。

 なお、彼のFacebook(実際には他人が書いています)には、誕生日が1999年11月30日と書かれていますが、これは違っているようです。これが正しいとすると、動画が撮影されたのは10歳の時。でも、動画に映っているのは子供ではなく成人男性です。

 ジョジ・ラジュは、子供の頃、カルナータカ州チャーマラージャナガルのムルック(南インドの甘いスナック菓子)の製造工場で働いていました。
 
 彼は子供の頃よく寺院と砦の夢をみました。そこで、彼は夢に見た場所を探すためにあちこちの寺院・砦をさまよい歩き、チトラドゥルガ城にたどり着きました。

 彼はすべてに嫌気がさし、自殺するつもりでチトラドゥルガ城の高さ21メートルの壁をよじ登りました。頂上まで登り、そこから飛び降りようとしたとき、彼が長年夢に見た砦がまさにこの場所だと気づきます。

 彼は自殺を思いとどまり、壁を降りました。

 翌日、ジョジは猿たちが城壁を飛び回っている姿を目にします。彼は猿のまねをして壁をよじ登りました。この日以来、朝6時から夕方6時まで、猿のように壁を登るのがジョジの日課になっています。


 
 それにしても飛び抜けた身体能力です。

 2020年の東京オリンピックに、スポーツクライミングを正式に追加種目とすることを決定しました。

 ジョジがインド代表として出場したら、すべての種目で金メダルを独占するのではないでしょうか。

 あの逆さまになる動きができる人を見たことがありません。

 2018年9月5日に公開された最新の動画が下のものです。

 
Monkey King The Real Superhero Of India | Jyoti Raju

 現在も変わらずに砦の壁をよじ登り観光客を楽しませているようです。

 お元気そうなのでホッとしました(笑)。最近の状況を探しているとき、もう亡くなっているかもという悪い考えが頭をよぎったので、・・・。