yEd Graph Editorの使い方:チューダー朝の系図を作るのに必要な最低限の使い方を紹介

 イングランドのチューダー朝の系図を作ろうとしたら、適当なソフトが見つからない。

 以前、『とても役立つ複数系統の「家系図」をつくる』 という記事で紹介した『エクセル家系図vr3.9』というフリーソフトを使って作ろうとしましたが途中で挫折。どうもイメージとは違います。

 そこで別のフリーソフト『yEd Graph Editor』を使うことにしました。

 ところで、このソフトは多機能なのですが、使い方がよく分からない。そこで、今回、このソフトを使って家系図を作る場合の最低限の使い方について紹介したいと思います。

こんな家系図が作りたい

 まず、管理人が作りたい家系図のイメージです。

  1. 顔写真を添付できる
  2. 配偶者の数や子供の数を自由に設定できる。夭逝した子供も表示したい
  3. 後で人物の追加が簡単にでき、全体の配置がおかしくならない
  4. 人物の名前や情報、コメントなどを自由に記入できる
  5. 再婚した場合や子供が生まれた順序が分かるようにしたい
  6. 色の設定を簡単に変更できる
  7. 人物間の関係を示す線を自由にきれいに描ける

 大体こんな感じでしょうか。

 では、yEd Graph Editorの操作方法を具体的に説明します。

yEd Graph Editorとは

yEd Graph Editorとは
 「yEd Graph Editor」は、南ドイツのテュービンゲンにある『yWorks GmbH』という会社が開発し無償で提供しているグラフィックソフトです。この会社は2001年にテュービンゲン大学のスピンオフ(大学発ベンチャー企業)として設立されたそうです。

対応言語
 操作画面表示言語は、英語とドイツ語のみ。多言語への拡張の予定はないみたいです。日本語化しようかと思ったのですが、このソフトの日本語化は難しい。使用条件として逆アセンブル禁止があるし。

 作業中に記入する文字は日本語が使えます。文字化けすることもなく表示されます。ファイル名にも日本語が使えます。

ソフトはデスクトップ版とwebサービスの2種類
 「yEd Graph Editor」は、ダウンロード版(デスクトップ版)とweb版の2種類があります。両者は似ているのですが、操作画面に違いがあります。web版は機能がかなり限定されているのでダウンロード版がお薦めです。

ソフトのダウンロードとインストール

 yWorksのホームページからソフトをダウンロードします。

 上のリンクを開くと、ページの中頃に下のボタンがあるのでこれをクリックしてソフトをダウンロードします。現在の最新バージョンは2018年5月31日にリリースされた、eEd 3.18.1.1 です。

 ダウンロードしたファイル『yEd-3.18.1.1_with-JRE10_64-bit_setup.exe』をダブルクリックしてソフトをインストール。とくに難しいことはないでしょう。

 インストールが完了するとデスクトップに「yEd Graph Editor」というアイコンができるので、これをクリックしてソフトを起動します。

 インストールプログラムは、念のために保存しておいた方が良いかも。いつ有料になるか分からないので。

基本操作

 ソフトを起動すると下の画面が開くので、[New Document]をクリックして作業開始です。

 たくさんのパネルが表示されていますが、左側の三つのパネルはすべてビューパネルです。実際には、三つではなく六つのパネルが左側にありますが、操作する必要は特にありません。

 右側にはたくさんのパネルが折りたたまれています。スライドバーで全体を観ることができます。

 それぞれのパネルの上部をクリックするとパネルが開き、もう一度クリックすると閉じます。

 パネル右上の[×]ボタンをクリックすると、パネルを閉じて非表示にすることができます。閉じたパネルを復活させるには、メニューバーの[Windows] ⇒ [Reset Windows Layout]をクリックします。

 右側の二つのパネル「Palette」、「Properties View」のうち、「Properties View」はあまり使わないので、[×]ボタンで非表示にして、「Palette」パネルを大きくして使った方が良いかも。

 「Palette」の上部をクリックしたままメインパネルにドロップすると横長のパネルになり、その方が使いやすい時もあります。

 画面上部にメニューバーとその下にアイコンがあります。これをすべて覚えたい方はHelpをご覧ください(笑)。たくさんの機能があるので、最低限必要なものだけ紹介します。

保存と読み込み

 作業をしてできあがった作品を保存するには、[File] ⇒ [Export]と進みます。

 保存形式は、BMP、EMF、EPS、GIF、HTML Flash View、HTML ImageMap、JPG、PDF、PNG、SVG、SVGZ、SWFの12タイプ。通常はPNGかGIFで保存した方が線がきれいでしょう。

 次に、作業した設定の保存です。作業途中で保存したいときに使います。[File] ⇒ [Save as]と進み、名前をつけて保存します。この保存形式にもいくつかの形式が用意されていますが、デフォルトは[GraphML]。

 これは[.graphml] 拡張子を使用する XML 構造化ファイルです。この形式が使える他のソフトでも読み込んで使えるようです。

 保存したファイルを読み込むには、[File] ⇒ [Open] で、保存したファイルを開きます。

アイコンの配置

 右の「Palette」パネルのアイコンをクリックしたままドローしてメイン画面にドロップします。

 メイン画面のアイコンをクリックすると好きな大きさに拡大したり、縦長・横長に変形できます。[Shiftキー]を押したままだとアスペクト比を保ったまま拡大できます。

 フロー図などで、このアイコンのような点のことを「ノード(Node)」、アイコンとアイコンをつなぐラインを「エッジ(Edge)」と言います。以下、この用語を使います。

エッジの描き方

 要素をつなぐライン(エッジ)の描き方を説明します。

エッジの描き方の基本

 まず、エッジの種類を選択します。[Edge Types]というパネルを開き、好みのエッジを選び、それが青く反転したことを確認します。このソフトは選択時の反応が鈍いので、必ず靑に反転していることを確認しましょう。

 ノードが選択されていないことを確認。もし、選択されていたら、どこか画面をクリックして選択を解除します。

 ノードの上で左クリックし、クリックしたまま指を離さずに次のノード上までカーソルを移動し、ノードの上で指を離します。

 ノードが選択されていないことと、”ノード上で”、がポイントです。ノード上で指を離しても描かれるエッジはノードの外枠にうまく配置されます。

複雑なエッジの描き方

 次に、少し複雑なエッジの描き方です。

 下のようなエッジを描くにはどうすれば良いのでしょうか。

 これは三本のエッジで描いています。

  1. まず、基本の描き方で最初のノード上でクリック。そのまま真下にドラッグして分岐したいところで指を離します。
  2. そのまま右に移動。直角に曲げたい位置でクリック。
  3. そのまま下に移動しノード上でクリック。
  4. 左も同様にして描きます。

 クリック&ドラッグしているのは最初の部分だけで、残りはクリックだけです。

 描いたエッジをクリックすると位置の調整ができます。ソフトが判断した適正な位置で灰色のガイドが表示されるので位置合わせにとても便利です。

顔写真の挿入

 今回はメアリー・スチュアートの家系図を作ろうと思ったので、肖像画を使いました。

 まずはじめに画像を用意します。300px程度の小さなサイズが良いでしょう。

 次に、この画像を登録します。

  1.  [Edit] ⇒ [Manage Palette]
  2.  [Palette Manager]が開くので、[New Section]をクリック
  3. [Section Name]に適当な名前を記入して[OK]
  4. [Palette Manager]の画面に戻るので、リストの中から今つけた名前をクリック
  5. すると、[Imort Symbols]がアクティブになるので、これをクリック
  6. 画像選択画面になるので、準備した肖像画ファイルをクリック ⇒ [開く]をクリック
  7. [Close]をクリックして [Palette Manager]ウインドウを閉じる。

 登録した画像は、[Palette]パネルの一番下にあるので、それをメイン画面にクリック&ドローします。

文字入れとフォントサイズの変更

 ノードに文字入れするには二つの方法があります。一つはノード画像上に文字を入れる場合。もう一つは、ノード画像の下に文字を入れる場合です。


 

  1. ノードをクリックして選択。そして右クリック。開いたウインドウのリスト上部に[Edit Label]と[Add Label]があります。[Edit Label]はノード画像の下に文字が描かれます。[Add Label]は文字がノード画像上に上書き表示されます。
  2. 一度書いた文字列を修正するには[Edit Label]か[F2]をクリックします。

 次にフォントの設定です。デフォルトのフォントサイズは 12pt です。

 設定を変更するには、画面右の[Properties View]パネルの中の [Font Size] の値を変更します。

 ここでフォントの種類、強調文字、斜体、アンダーライン、フォントの色も設定できます。

 設定変更したいノードを[Shift]キーを押したまま選択してからプロパティの変更をすると一度に複数のノードの文字設定を変更できます。

 すべてのノードを選択するには、[Ctrl] + [A] でできます。

タイトルの挿入

 作った系図にタイトルを挿入するには、ノード上に文字を書き、フォントサイズを大きく変更。さらにノードの色と枠線の色を透明(No Color)にします。操作方法は上で説明したので省略します。

説明書きの追加

 系図では、指名だけではなく、続柄や生没年月日が記載してあると便利です。

 ところで、氏名のフォントは大きめで、説明書きの部分は小さなフォントにした方が見やすいと思います。

 そこで、氏名のフォントサイズをデフォルトの12ptから20ptに変更し太字(Bold)にするとともに、フォントサイズ16ptで肩書きと生没年月日を入れてみます。

 同じノード内ではフォントサイズ等の個別変更ができないので、この追加情報の部分は別のノードを用意します。

ノードに書いた文字(Label)の長さに応じてノードの幅を自動調整

 ノードの中の文字は「Label」と言います。このラベルの文字数に応じてノードの幅を広げるには次のようにします。

 [Tool] ⇒ [Fit Nede to Label]

[Fit Nede to Label]ウインドウが開くので、そのまま[OK]をクリックします。

 この処理は最後に一括してできるのでとても便利です。

 ここで使った説明書きの背景透明枠なしノードはコピー・ペーストすることで他の人物の説明書きにも使えます。

 管理人が作りたかったメアリーの系図は下のようなものです。まだ未完成ですが。

 この解像度でアップするのはなかなか難しい。

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