レオナルド・ダ・ヴィンチが生涯手元に置いていた三枚の絵画のうちの一枚が《洗礼者聖ヨハネ》です。
今日は、この『洗礼者聖ヨハネ』のモデルは女性なのでは? という謎に迫りたいと思います。
どうやって?
男性と女性とでは、動きが違います。静止画像を見ていると男なのか女なのか分からない時でも動画を見ると分かる場合があります。今回の謎解きでは、この手法を使います。
ダ・ヴィンチの「洗礼者聖ヨハネ」とは?
1513年頃に描かれたとされる「洗礼者ヨハネ」は、ダ・ヴィンチ最晩年の傑作です。この絵が描かれはじめたのは1505年からとする説があるようです。
聖ヨハネの右手人差し指は天を指さし微笑みを浮かべています。
Photo: Wikipedia
ダ・ヴィンチの描く人物は、「雌雄両生的」な感じのものがあり、その中でもこの絵が極めつけという気がします。
この絵は、本当に聖ヨハネなのでしょうか? 管理人には女性に見えます。
2016年、この絵の修復が行われました。何度も重ねられてきたニスによって本来の線の判別が難しくなっていました。2016年1月下旬に展示室から撤去され修復作業が始まり、10ヶ月あまりで作業は完了したようです。このときの修復は、表面に塗られている保護用のニスの層を薄くする作業が行われました。
この修復により、髪の毛のカールや色、毛皮がくっきりしました。
黒い背景に埋没して、全体がよく見えなかったのですが、修復により、かなり鮮明になったという印象を受けます。
聖ヨハネは右手人差し指で天を指していますが、十字架は持っていません。十字架は肩に置かれているだけで、どの手でも支えられていません。
それがなんなのさ?
この右手を動かすので、右手で隠れている部分の順番が重要になります。
この絵が「聖ヨハネ」を描いたものだとしても、モデルは女性だったのではないでしょうか。
胸のところに置かれた左手が、まるでふくらみを包み込むような手の形になっている。しかし、右手が邪魔でよく見えない。
そこで、右手を動かしてもらうことにします。
「洗礼者聖ヨハネ」の右手を動かしてみる
修復作業により、以前と比べて輪郭がはっきりしました。これをさらにくっきり画像に加工し、その上で、右手を動かしたいと思います。
上の画像を見ても違和感を感じないのではないでしょうか。
さらに、GIFアニメで動かしてみましょう。
このように動かしてみるとよく分かるのですが、肩の丸みや胸を隠すような右手の構図、そして左手の形などから、この絵のモデルは女性だったのではないかと管理人は考えました。少なくとも男の体型ではありません。
絵を見ただけで”女性的に見える”と思うだけでなく、実際に動かしてみることで、その確信が深まったように思います。
この動きは、”Photoshop CC” の「パペットワープ」で肩関節を固定して動かしています。比較的自然に見えると思いますが。