下の写真を見たことがある人は多いのではないでしょうか。Instagramなどでたくさんアップされています。すべて同じ画像ですが。
説明書きには、”Castle Island House” in Dublin Irelandと記載してあり、どうやらアイルランドにあるお城らしい。こんな場所にお城を作るなんて、なんとも奇特な人がいるものです。
そこで早速、アイルランドまでひとっ飛び。ダブリンからはレンタカーを借ります。
走ること3時間。現地に着いて、このお城をちょっと違うアングルから撮影してきました。
「えっ、このお城って本当にあるんだぁ」と思ったあなた。
欺されやすい人のようです(笑)。
この写真はもちろんフェイクです。
岩の写真は、タイのピンカン島(Khao Phing Kan)の奇岩です。
そしてお城の写真はドイツのホーエンツォレルン城の写真を左右反転したものです。
Photoshop上ではこんな感じです。
これはフェイクかもと思った写真でも、別アングルの写真があると本物かもしれないと思ってしまう。写真は嘘はつかない、は昔の話。今は、写真は嘘つきの時代になりました。
管理人は、この写真を見た時、このお城をどうやって造ったのだろうと思いました。
海中にそそり立つ岩の上に大量の建設資材を運び上げなければならない。それには大規模な仮設が必要になります。陸上なら簡単ですが、海上では難しい。嵐が来れば流されてしまうので。
自分ならどういう仮設にするかを考えていたのですが、よい考えが浮かばない。たぶん、台船を持ってきて、クレーンで資材を運び上げるというのがオーソドックスな計画でしょう。しかし、水深が浅いようなので、大型の台船は難しい。でも小さな台船だとクレーンのブームが岩の上まで届かない。さらに、水深が浅いため満潮の時にしか作業ができないかも。
この岩全体を覆う足場を組まなければ作業が難しそうです。しかし、そんな足場って本当に組めるの? 足場の基礎部分はどういう構造にすればよいのでしょうか。組立式台船のフロートを並べて、その上に足場を組んでいけばできそうな気もします。
問題は悪天候の場合。上の形式では嵐に遭えばひとたまりもなく破壊されてしまいます。だから難しい。
岩にアンカーを打ち込み、それだけで仮設足場全体支える工法も採れそうですが、岩が串刺し、穴だらけになりそうです。でも、環境面の制約がなければ、これが経済的でしょうね。岩の補強にもなるし。
現場の作業スペースがとても限られているため、お城は現場で建築するのではなく、陸地で造ったパーツを現場で組み立てていくことになると思います。レゴブロックのような感じでしょうか。
どうしても環境に配慮しなければ、という気持ちが先に立つためにこのようなことを考えたのですが、環境無視なら簡単です。岩まで海を埋め立てます。
フォトショップでは簡単に造れるお城でも、実際に造るとなるとかなりやっかいです。