「意味がわかると怖い絵」の意味が分かっても怖くない謎

謎の写真

 今日は、「謎の写真」についての記事です。

 たまたまYahoo知恵袋で見つけた質問。

 「意味がわかると怖い写真なのですが、解説お願いします。

 この質問の主旨が何なのか理解しにくい。

 質問者は写真の意味が分かっているものの、その詳細な解説を求めている、としか読めない質問になっています。

 しかし、ベストアンサーに選ばれた回答が「横の写真を縦にして見てるだけでは?」なので、質問者は、不思議な写真の撮影方法に関心があるとも思えます。

 質問者の日本語のまずさは度外視して、回答者は、質問者の聞きたい主旨を理解しているのでしょう。なぜそんなことができるのか。実は、この写真が「意味がわかると怖い絵」というジャンルの写真だと質問者も回答者も知っているからなのでしょうね。

 他の2名の回答者も写真の撮影方法についての回答になっています。

 そして、このベストアンサーの回答は間違っています。

質問の主旨に対する正しい回答とは

 どうでも良いことなのですが、一応、質問者の質問文の主旨に対する回答を考えてみました。

 この写真は、ドイツの舞踊家・振り付け師ピナ・バウシュ(Pina Bausch)による「Blaubart(青ひげ)」(1977年)の舞台パフォーマンスのワンシーンです。ドイツ公演の時のものらしい。

 床に男性ダンサーの足が見えるので、写真撮影のためのショットではなく、舞台稽古のシーンを撮影したものでしょう。ダンサーたちの足先がピンと伸びて美しい! 左足を壁にあいたくぼみに差し込み身体を支えているように見えます。

 この画像だけを見ると、特殊な撮影をしたのではないかと思ってしまいますが、この舞台を撮影した動画を見ると、何もない壁に女性たちがかけより、瞬時に壁に貼り付くシーンがあります。 つまり、写真撮影を目的とした細工ではなく、ダンサーの女性たちは別の方法で壁に貼り付いているようです。もちろん、ワイヤーなどで天井から吊っているわけでも、壁が傾いているわけでもありません。

 これは、ダンサーを支えるための穴が壁に開けられており、それで吊っているそうです。考えられるのは、女性たちは登山などで使うハーネス型安全帯を装着し、それを壁のフックに引っかけているのではないかということ。これ以外の方法でこの姿勢で身体を支えることはできそうにありません。

 ワイヤーの先にフックを付けたものが壁の穴から出ていて、ダンサーが壁に近づき、このフックをハーネスに引っかけたときに、壁の後ろにいるスタッフがワイヤーを引っ張りダンサーを床から浮かせる。

 この画像は精神病院で撮影したものなどの都市伝説がありますが、まったく違います。

 舞台の模様を撮影した動画が以下のものです。長い動画ですが、25:10 あたりで女性ダンサーたちが壁に貼り付くシーンがあります。まさに一瞬で壁にくっつきます。瞬間接着剤のように! 壁の窪みに足を入れているようには見えない。


 Source: YouTube: Pina Bausch “Barbe Bleue” (1977)  

もう一枚ある類似画像

 もう一枚、類似した写真があります。これも同様にネット上で話題になっているようです。

 やはり、女性たちが壁に貼り付いています。構図は、上の写真とそっくり。意識して作ったものでしょう。

 この写真は、アメリカの脚本家、映画・テレビドラマの演出家、エグゼクティブプロデューサーで『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』『glee/グリー』などの作品を手がけたライアン・マーフィー(Ryan Murphy)が脚本・監督を務めたアメリカのテレビドラマ「American Horror Story」のプロモーション用の写真のようです。撮影は2014年頃です。
 
 かなりグロいドラマなので、普通の人は見ない方が良いでしょう。

 この写真の撮影方法は不明です。ドラマではCGをガンガン使っているので、この程度の写真などなんとでも加工できます。

 最近の写真はPhotoshopもあるし、謎の写真にランクインするのは難しいようです。