外国には耳かきが無いけれど、耳の掃除をするの

生活編

 2017年1月5日のGIZMODOで「まじでやめよう耳掃除。米医学会が声を枯らして警告」という記事が載っていました。

 内容をザックリ言うと、耳垢は免疫機能の一部を担っているので、掃除すべきではない! という警告らしい。


   Source: なんでも保管庫

 この記事を読んでいて思ったのが、アジア以外の外国人って耳の掃除をするんだろうか、ということ。

 外国で仕事をしていて、耳かきを使って耳掃除をしている人を見たことがありません。耳に小指を突っ込んでゴシゴシしている人はたまに見かけますが、耳かきを使っている人は本当に一度も見たことがない。それもそれ筈、耳かきなど売っていない!

 外国人は綿棒できれいにしているよ! というコメントがありそうですが、綿棒自体、30年前には世界にほとんど普及していなかった。当時でも日本には普通にあったけれど、管理人が赴任した国では売っていないので困った経験があります。赤ちゃんのために紙おむつは日本から大量に持っていったのですが、綿棒がどこにも売っていない!

 外国人は耳垢をどうやって掃除していたのか?
 ネットで調べてもよく分かりません。普通はまったくやらない? やったとしても深さ3cmくらい?

 そもそも、耳垢の掃除は耳鼻科の専門医が行う・・というのが欧米の慣わしのようです。
 米医学会が警告をならすのは、綿棒の普及で耳垢掃除に来院する顧客が減ったためでしょうか(笑)。

 上のGIZMODOの記事を読んでいて、管理人が小学生の頃、学校の耳鼻科検診で、耳の中に耳垢をたくさんためた友達がロートのような器具を耳に挿入され痛がっていたのを思い出しました。人間の耳くそはこんなに溜まるのかと、幼心に驚きました。

 その子は、母親が病気で入院しており、耳垢を掃除してくれる人がいなかったため、耳の中は耳垢で一杯でした。そのような状態の耳にロートをグサッと挿入するのですから、痛くないはずがありません。その時の光景を今でも良く覚えています。

 日本の耳かきは竹製か黄楊(つげ)製が一般的でしょう。日本では長年この耳かきを使っているのに、米医学会が警告するような内容の話は聞きません。何が違うのでしょうか。やはり、患者が少なくなったために起死回生をねらった提灯論文なのでしょうか。

 もしかしたら、「綿棒」が原因なのかも。「綿棒は柔らかい」という錯覚に陥ってしまいますが、耳の中から血がでるのは、たいてい綿棒を使ったとき。デリケートな外耳には、綿棒さえもタワシのような荒さなのかも知れません。

 耳垢には耳垢なりに、耳の中を適度に湿らせ、チリやホコリが中に入るのをブロックし雑菌の繁殖を防ぐ大事な役目があり、新しい皮膚細胞が生成されると古いほうから順繰りに出ていく自浄作用もある、のだそうです。でも、これって、皮膚の垢と同じことを言っています。研究成果は間違いではないのでしょうが、人体の免疫機能のほんの一部分を捉えた研究のようにも思えます。

 なにしろ日本人は、温泉と耳掃除が大好きで、それに至福の喜びを感じる民族。そんな日本で耳鼻科の医院が極端に少ない理由が、アメリカの研究論文では説明できません。あなたの町に耳鼻咽喉科は何軒ありますか? 探すのに苦労するほど少ないのです。

 外国で発表された最新論文が大好きな評論家がすぐに飛びつきそうな話題ですが、日本ではだれも信じない。米医学会の警告など日本では不要なことを歴史が証明している。つまり、間違っているということ。

 人種により耳の中が乾いていたり湿っていたりする違いがあるようです。これを決定する遺伝子も特定されているようです。1つの遺伝子のほんの僅かな違いによって、人間の耳あかが乾燥したタイプ(乾型)になるか、それとも湿ったタイプ(乾型)になるかが決まることを長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の新川詔夫教授らの研究グループが発見しています。アジアには乾型が、欧米には乾型の人種が多く分布しています。

 免疫と感染との関係で言えば、耳垢、へそのゴマ、舌の苔など、徹底的にきれいにしようとするのは、百害あって一利なし。ほどほどにしましょう。日本では「舌の苔」除去グッズが口臭予防として人気のようですが、過ぎたるは及ばざるが如し。それぞれ理由があって生じている『垢』なので、取り過ぎには注意が必要なようです。

 ついでに書くと、『唾』。ぺっぺっぺーと『唾を吐く』行為。日本人は普通しませんが、どこかの国ではよくやるようです。唾は健康にとって、とても大切な役割を果たしていて、それを体外に排出するなどもったいない! 貝原益軒も禁じている行為です。ただし、『痰』は外に出した方が良いようです。

 朝起きたとき、口の中は”うんこ”並の細菌が繁殖しているそうです。寝ていると殺菌効果のある唾の分泌量が少なくなるためです。そこで管理人は、朝起きたら、先ず、口をゆすぐことにしました。以前は、口の中に唾を溜めて一緒に出していたのですが、唾は貴重な免疫分泌物なので温存することにしました(笑)。