今回の都知事選で、たくさんの方が立候補しました。その数21人。
管理人が不思議に思うのは、当選することはまずあり得ないと思われる人も立候補していること。目的は何なのでしょうか。
被選挙権を有している人であれば誰でも立候補できますが、供託金を納める必要があります。その額は300万円。総得票数の10%の票を獲得すれば、この供託金は戻ってきますが、それ以下の得票数の場合、供託金は都に没収され、戻ってきません。
今回の選挙における総得票数(速報値)は、6,546,361票。つまり、65万票を獲得しなければ供託金を没収されることになります。
では、21名の立候補者のうち、何人が供託金を没収されるのでしょうか。下の表から分かるとおり、16名の供託金が没収され、都の収入となります。今回の選挙で、都の収入は4800万円ということになります。坊主丸儲けです。
このように書くと、「何言っているんだ! 選挙のために50億円もかかっているんだぞ!」と思われる方もいるでしょう。
では、その50億円はどこに消えたのでしょうか。誰かが持ち逃げしたのでしょうか。
費用の内訳は知りませんが、50億円のほとんどが都内およびその周辺で使われたと考えられます。一番大きな支出は人件費でしょうね。
今回の選挙では、この50億円とは別に、立候補者1人当たり約6,000万円程度を上限として選挙資金が使われています。合計12億6千万円のお金が立候補者側から市中に流れた計算になります。
これらのお金が1、2ヶ月の短期間に確実に都内および周辺地域で使われました。なんという経済的貢献でしょうか。
”経済対策何兆円”と聞きますが、その実態はよく分かりません。実際に資金が動くタイムラグもあると思います。しかし、選挙に限っては、確実にそのお金が使われています。しかも、短期間に!
No. | 立候補者氏名 | 獲得票数 | 割合 (%) |
1 | 小池百合子(無・新) | 2,912,628 | 44.49 |
2 | 増田寛也(無・新) | 1,793,453 | 27.40 |
3 | 鳥越俊太郎(無・新) | 1,346,103 | 20.56 |
4 | 上杉隆(無・新) | 179,631 | 2.74 |
5 | 桜井誠(無・新) | 114,171 | 1.74 |
6 | マック赤坂(無・新) | 51,056 | 0.78 |
7 | 七海ひろこ(諸派・新) | 28,809 | 0.44 |
8 | 立花孝志(諸派・新) | 27,241 | 0.42 |
9 | 高橋尚吾(無・新) | 16,664 | 0.25 |
10 | 中川暢三(無・新) | 16,584 | 0.25 |
11 | 山口敏夫(諸派・新) | 15,986 | 0.24 |
12 | 岸本雅吉(無・ 新) | 8,056 | 0.12 |
13 | 後藤輝樹(無・新) | 7,031 | 0.11 |
14 | 谷山雄二朗(無・新) | 6,759 | 0.10 |
15 | 武井直子(無・新) | 4,605 | 0.07 |
16 | 宮崎正弘(無・ 新) | 4,010 | 0.06 |
17 | 望月義彦(無・新) | 3,332 | 0.05 |
18 | 山中雅明(諸派・新) | 3,116 | 0.04 |
19 | 今尾貞夫(無・ 新) | 3,105 | 0.04 |
20 | 内藤久遠(無・ 新) | 2,695 | 0.04 |
21 | 関口安弘(無・ 新) | 1,326 | 0.02 |
合 計 | 6,546,361 | 100.00 |
選挙の50億円は全くの無駄。そのお金があれば、待機児童の解消ができる、というもっともらしいことをいう人がいますが、管理人にはよく分かりません。
うちにはそのような年齢の子供はいないし、選挙でバイト収入が入る方がうれしい、と思っている人たちが、待機児童で困っている親の数より多いのではないかと思います。
そもそも待機児童問題は、都が抱える全ての問題の中でどこに位置づけられているのか知りません。
あなたは知っていますか? えっ、ご存じない!
政策論争の焦点は、マスコミが勝手に創り出すのではなく、根拠に基づいて定めるべきでしょう。
根拠のない政策論争の焦点を容認するマスコミの姿勢には呆れてしまいます。最大多数の有権者に直接関係するテーマこそ政策論争の焦点になるべきでしょう。そして、なぜ、テーマとするのかを候補者は立証しなければならない。もちろん、各候補は、それを無視して、独自のテーマで闘うことは可能ですが、カルトとみなされる。有権者にとって、とても分かりやすいと思います。つまり、共通テーマにどれだけ踏み込んで論争ができるかが当選を左右することになります。アクロバットは通用しません。人の批判ばかりしてきた人と実務経験者との違いが政策論争を通じて如実に表れることでしょう。
本来、選挙は、そうあるべきではないでしょうか。砂上の人気ではなく、政策論争に着目すべきでしょう。報道もそれを牽引すべきです。
候補者の実績のことばかり述べられて、その実績の中身の評価にまでは誰も踏み込まない。実績がある、ない、という見方しかできないのでしょうか。そういう見方しかやらない、というのが正解でしょう。評価できないので。評価の責任を取りたくないから。
今回の都知事選挙を経て、今後の選挙のあり方が変わればうれしいのですが。
ところで、冒頭のアイキャッチ画像の意味、分かりました?
答えは、猫も杓子も・・です。