読売新聞によると新型コロナウイルスの早期判定方法が確立されたらしい・・誤報道

こだわってみる

 ニュース記事で奇妙な報道を見つけました。

 Rakuten Infoseek Newsが2020年3月22日 1時16分に読売新聞記事を配信した内容です。

 記事のタイトルは、「国内で新たに39人感染確認…20代学生、新宿のホテルでロビーサービスのバイト」 。

 この記事を読んでいて、とても奇妙に感じました。新型コロナウイルスの判定が直ぐにできるような検査方法がいつできたのだろうと。

 問題のカ所は、以下の通り。

読売新聞「国内で新たに39人感染確認…20代学生、新宿のホテルでロビーサービスのバイト」
 新型コロナウイルスの感染拡大で、国内では21日、計39人の感染が確認された。スペインからの帰国者が、空港の検疫所で実施された検査の結果を待たずに沖縄県の自宅に戻り、後に感染が判明したケースもあった。

 沖縄県の発表によると、この帰国者は10歳代の女子学生で、家族ら計6人で13日からスペイン旅行に出かけ、20日午前に帰国した。感染拡大地域からの帰国のため、成田空港の検疫所が検体を採取。結果が出るまで同空港内で待機するよう要請されていたが、空路で那覇空港に移動し、その後に感染が確認された。

 厚生労働省によると、検疫所長の指示に従わない場合は検疫法違反の疑いがある。同省幹部は「検疫所の指示には必ず従い、検査結果が出るまで待機してほしい」と話している。

 この記事を読むと、帰国した10代の女子学生が、空港検疫所が検体の検査結果が出るまで空港内で待機するように命令したが、この女子学生はそれを無視し、勝手に沖縄に帰った」と読めます。この文章を読んだ人のほぼ全ての人がそのように理解したはずです。

 さらに、厚生労働省の幹部がこの事例を聞き、検疫法違反の疑いがあると言った、と読める記述になっています。

 新型コロナウイルスの蔓延で、皆がピリピリしているときに、このような報道を新聞社が流すようでは困ります。

 管理人は、以前、インドから帰国する飛行機の中で激しい下痢と腹痛に襲われ、トランジットで寄った香港で入院しようかと思ったほどだったのですが、何とか成田までたどり着き、空港検疫所係官に症状を告げました。

 驚いたのは、検体を採取しただけで、後は何の指示もないこと。自宅待機の指示もない。

 管理人の場合、もし、コレラなどの感染症だったら職場に迷惑をかけると考え、自主的に自宅待機していました。空港検疫所から指示されたわけではありません。たしか、二日後くらいに、検査結果の連絡が来ました。もちろん、結果は陰性でしたが。

 このような経験がある管理人から見ると、読売新聞の記事は、ねつ造されたもののように感じます。

 この女性家族が帰国したのは20日のこと。この時点での待機要請には強制力はありません。政府がこれを強化したのは21日になってからのことなので、この家族が帰国した時点では、「待機要請」はなんら強制力のあるものではなかったことを知る必要があります。

 これを知った上で、もう一度読売新聞の記事を読むと、ねつ造された記事であることが分かります。

 「結果が出るまで同空港内で待機するよう要請されていた」という記述は本当でしょうか。結果が出るまでとは何時間後のこと? 早くて翌日にならないと検査結果が出ないはずだけど、新しい検査方法が開発されたの? そのことを読売新聞はいつ報じた? 空港内で翌日まで待機しろと読める記事だけど、これって本当なの?(実際には同日夜11時には結果が出たようですが、そんな時間に結果が出ても空港から移動する手段がありません。)

 そもそも「空港内で待機」って、他の健康な乗客のリスクを増やす行為。本当にこんな指示が出されていたのか疑問が残ります。検査結果が出るまで空港内のどこで待機しろというのでしょうか。

 次に問題なのが、厚労省幹部の発言を付け加えていることです。これは全く別々の話であることは、記事を読めばバレバレです。

 空港では「要請」としていますが、幹部は「指示に従わない場合は」と、法律条文を頭に入れた発言をしています。この二つの出来事は、全く別のことだと分かります。それを読売新聞の記者が意図的につなげることで、女子学生がまるで犯罪者かのような印象を与える記事に仕上げています。

 そもそも「結果が出るまで同空港内で待機するよう要請」という記述は本当のことなのでしょうか。こんな話は聞きませんが。何の検査? えっ、新型コロナウイルス? いつ、そんなに迅速に罹患の判定ができる方法が確立したの? 待つ? どこで? クルーズ船の二の舞はごめんだよ。

 この記事は、続く部分にも疑問点満載なのですが、いちいち指摘していてもしょがない。

 ちなみに、沖縄タイムスは、「女性を含む家族など6人は20日の帰国時に成田空港検疫所でウイルス検査を受け、結果が出るまで空港内での待機を要請されていたものの、結果を待たず同日中に飛行機を利用し県内の自宅に戻っていた。待機要請に強制力はない。同行した家族や親せき5人は陰性だった。」と正確な情報を伝えています。この後に続く文章もよくまとめられた内容になっています。同じ事を報じるのに、一方では犯罪者扱いとも読める記事になっている。

 どうして、こんなイカサマ記事のことを指摘するサイトがないのか、管理人には不思議です。このサイトでは、こんな記事は書きたくないのですが、あまりにもひどい状況なので、敢えて書いています。

 管理人がこの記事を敢えて書いた理由は、まるで女子学生が法律を犯した犯罪者のような印象を与える報道になっていたからです。病気に罹患した女性を誹謗・中傷するような報道は異常です。その後の彼女に対する風評被害も心配です。

 この読売新聞の記事は、購読者に何ら有益な情報を伝えていません。むしろ、害毒をばらまいていると感じます。

 案の定、東スポ、2020年03月23日 17時00分配信「新型コロナ「自分だけは大丈夫!」の超危険」という記事では、「もう“自分だけは大丈夫”という時ではないはずだ。スペインから20日に帰国した沖縄県の10代女性が新型コロナウイルスに感染していたケースが物議を醸している。」という記述がありますが、誰が物議を醸しているのか分からない、いわゆる記者の思い込み記事になっています。この記者はネットのニュースや書き込みだけで記事を書くのを得意としているようで、「信じがたいことだが、世界中が混乱する状況でも危機意識の低い人はいるという。」、といったまとめ方になっています。この記事を読むと、この時期に海外に旅行した人は全員、危機意識の低い人。上野公園で花見をした人たちも全員、危機意識の低い人、と言っているようです。このタイプの非難って、ネットの書き込みレベルです。

 自分で取材しないのなら、新聞社は存在意義がありません。

日刊現代が個人攻撃を始める

 思った通り、メディアの節操のなさが露呈する記事が出ました。

 「休校期間中のスペイン旅行で娘が感染 呆れた親のモラル」、日刊ゲンダイ DIGITAL、公開日:2020/03/25 06:00 更新日:2020/03/25 12:26

 この記事はすさまじい。まさに個人攻撃をメディアが行った典型的な異常な報道です。この記者、頭がおかしいのでは?

 日刊現代の記事は、「呆れた親のモラル」と題して、感染した少女の親を個人攻撃する内容になっています。「呆れた日刊ゲンダイのモラル」の間違いでは? 全ての批判の内容部分を「少女」⇒「日刊ゲンダイ」に置き換えると、おかしなくらいにフィットします(大爆笑)。もしかして、自虐記事なのでしょうか。

 記事では、「一行は空港の検疫所でPCR検査を受け、職員から「結果が出るまで空港内で待機してください」と要請されたが、拒絶。説得にあたった職員を振り切ってリムジンバスに乗り込み、羽田空港に向かった。」、「どうして成田空港で職員の待機要請に従わなかったのか。・・・乗継便をキャンセルしなければならず、新たな航空券の購入費や宿泊費などが自己負担となる、といった事情があったとみられる。」(記者の推測)、「感染危険地域にノコノコと」(サブタイトル)、

 「感染者の多くがマドリードにいるとみられ、スペイン政府は14日に非常事態宣言を行い、さらに4月11日まで延長した。そんな感染危険地域にノコノコ出掛けるなど、「うつして下さい」と言っているようなものだ。しかも休校中である。」(この家族が日本を出国したのは13日。このようなメディアの批判はいかがなものか)、

 「そのうえ、検疫所の待機要請に応じず、不特定多数に感染リスクを負わせたのだから、どうかしている。本人たちが感染するだけなら自己責任だが、感染リスクを持ち込んだのだから、明らかに迷惑行為だ。」(前項で記事の構成が破綻しているので、この記述は記者の悪意としか思えない。)

 あまりにもひどい個人攻撃の内容になっています。

 こんな時系列を無視した個人攻撃の記事を書くよりも、格闘技イベント「K-1」開催の問題点でも書いたら? 

 イベント開催のために、マスクが買い占められたという視点でも記事が書けるんじゃないの?

 メディアが不正確な情報で個人攻撃しちゃ、報道機関として失格。

 日刊ゲンダイの親会社は「講談社」。講談社って、こんな会社だったんだ。個人攻撃を平気でやる会社。感染した少女は何も悪いことはしていないのに、講談社によって、世間から吊し上げられる。

 記事の内容は、一般人が思うことでしょう。管理人もそう思います。しかし、それをメディアが流すようでは困ります。ツイッターのつぶやきレベルの内容がメディアが取り上げることで大問題に発展する。とくに、週刊ゲンダイの記事は、感染した少女の家族に対する憎悪を感じさせる、異常な文章になっています。これ、誰も社内でチェックしていないのでしょうか。倫理規定に抵触しないの? そもそも、そんなものはないのが伝統的な「講談社」かも。

 1928年、世界的なスプリンターであった寺尾正・文姉妹の選手生命が「講談社」により断ち切られてしまいます。詳しくは、過去記事『寺尾正・文姉妹は美しすぎるスプリンター』をお読み下さい。

 講談社は、一般個人の攻撃が好きな会社?  呆れた会社のモラル。社長が公式に謝罪すべきレベルの記事内容だと思います。編集長など下っ端の連中は用はない。社長が謝罪すべきでしょう。