自分用やweb用の地図を簡単に作る方法をご紹介します。白地図や色つきのオリジナル地図を簡単にWORDで作ることができます。
既存の地図にはいろいろな書き込みがあったり、画質が悪かったり、著作権が心配だったりで、使いにくい場合があります。特に、街の案内図などは、オリジナルの白地図があると、いろいろな書き込みができるので便利です。
通常、このような地図づくりにはEXCELの方が適しているのですが、今回ご紹介する「世界遺産スクレの白地図」は、サイズが大きいため、WORDで作ることにしました。
今日は、第1回目として、白地図づくりまでをご紹介し、第2回で、その地図に文字を入れたり、色を入れたりして装飾する方法をご紹介したいと思います。
WORDで白地図を作る最大のメリットは、地図を自由に編集できることです。昔の地図を単に白地図にしただけでは、現在と違う場合があっても修正ができません。WORDで白地図を作ると、いつでも簡単に修正することが可能です。
オリジナルの地図を作るというのは、著作権のうるさい社会の中で気持ちの良いものです。借りているのではなく、貸してあげることができます。
Wordで地図を作る方法
まず、完成間近の「世界遺産スクレ市の白地図」をご覧下さい。
街の区画と、方位、および、通りの名前が一部入っています。最終的には、これに色を入れたり、建物の番号を入れたりしていきます。(画像は下絵が表示されている状態です)
1.元地図の準備
地図を全くのゼロから作っていくのは大変なことなので、元になる地図を入手します。ネットで探すか、既存の地図をスキャンしたり、写真に撮ったりしても良いと思います。Googleマップ、GoogleEarthやYahoo地図でも良いと思います。
この元地図は、トレースするために道路や建物の配置が見えればよいので、画質をできるだけ落としファイルサイズを小さくします。方法は過去記事をご覧下さい。地図作成の段階でかなりの量の情報を入れてさまざまな操作をしていくので、下絵のファイルサイズが極端に大きいとWORDがフリーズする恐れがあります。
2.WORDのページ設定
WORDのページ設定をして、描画する画面をできるだけ大きくします。
[ページ設定]を開きます。このアイコンがない場合には、「クイックアクセスツールバー」をクリックして、ツールバーにアイコンを読み込んで下さい。
[ページ設定]アイコンをクリックすると[ページ設定]ダイアログが開くので、下の画像のように、余白と印刷の向きを設定します。
3.元地図を透かしにする
元地図を透かしにします。こうすることで、WORD文書の背景になるので、作業の邪魔になりませんし、いつでも比較して見ることができます。
[ページ レイアウト]⇒[ページの背景]の[透かし]⇒[ユーザー設定の透かし]
[透かし]ダイアログがひらくので、[倍率]の横の「にじみ」のチェックを外す。
[図]にチェックを入れ、[図の選択]をクリックし、背景にする地図を読み込む。
透かしが読み込まれた状態が下の画像です。下絵は白黒にしました。
4.道路、建物を入れていく
下絵となる透かしを読み込んだら、建物の輪郭を記入していきます。これで結果的に道路の輪郭が出ます。
図形を使います。
ここで、クイックアクセスツールバーに図形描画関係のコマンドアイコンを設定しておくと何かと便利です。特に、「頂点の編集」はよく使います。
① メニューバーの[挿入]⇒[図形]⇒[フリーフォーム]と進む。
② 下絵の透かしに沿って、建物の輪郭をひとつひとつトレースしていく。トレースした輪郭は、塗りつぶした方がわかりやすいと思います。後で一括して変更することも可能です。
線上で右クリックすると、頂点の編集や、開いたパスを閉じることもできます。
[CTRL]+マウスのジョグダイアル を使って、拡大・縮小して確認しながら、下絵にピッタリにトレースしていきます。[頂点の編集]で、頂点の移動やパスを追加したり削除したり、様々な操作が可能です。最初に操作を覚えてから作業に入った方が良いと思います。
さらに、同じ作業が増えるので、ショートカットキーを活用すると作業がはかどります。
下絵をトレースする時、少しコツがあります。
正確な地図ほど、道路はまっすぐではなく、建物との出入りがあります。しかし、それを地図上に表現するかどうかは、地図作成の目的次第です。
道路はまっすぐな方が見目もきれいなので、下絵で少し曲がっていても、トレースの段階でまっすぐに修正した方がきれいに仕上がります。特に、交差点は、4角の位置に注意して、まっすぐになるように修正しながらトレースします。
いろいろ試してみて下さい。
応用編
描画キャンパスを使う方がよいと思います。描画キャンパスはなにかとうっとうしいので、この機能をオフにしている方も多いと思いますが、キャンパス内の図形を一括処理したりするのに、描画キャンパスを使うとなにかと便利だと思います。この場合、描画キャンパスは[順序]を[最背面へ移動]の状態で使います。
トレース作業を始める前に、上記で説明した機能と各操作手順をしっかり覚えることが重要です。「せっかく描いた図形があちこち移動してしまった!、図形の配置がバラバラに崩れて作業をやり直すことになった」という事態を避けるためにも、上記の各機能や操作を確認した上でトレース作業に入って下さい。
今回は、以上です。
次回は、文字を入れたり、装飾したりする方法をご紹介します。文字入れは、簡単ではありません。ちょっとしたコツが必要です。テキストボックスは任意の角度に回転できません。
今回ご紹介した方法は、私が考えた方法なので、もっとよい方法があるかも知れません。
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