新紙幣発行の理由は式年遷宮と同じ理由なの?

こだわってみる

 2024年7月3日に20年ぶりに一万円、五千円、千円の新紙幣が発行されました。F号券(F券)と呼ばれます。では、E券とは。それまで使われていた福沢諭吉、樋口一葉、野口英世のお札です。

 戦後発行の紙幣はA号券から始まり、今回の紙幣はF号券です。

  1945年 (昭和20年)8月15日 終戦。

 1946年(昭和21年)3月1日 A号券発行(A百円券、A十円券)他

 1950年(昭和25年)1月7日 B号券発行(B千円券)他

 1958年(昭和33年)12月1日 C号券発行(C一万円券)他

 1984年(昭和59年)11月1日 D号券発行(D一万円券、D五千円券、D千円券)

 2004年(平成16年)11月1日 E号券発行(E一万円券、E五千円券、E千円券)

 2024年(令和6年)7月3日 F号券発行(F一万円券、F五千円券、F千円券)

 三つの高額紙幣の同日発行が始まったのは、D券からです。そして、きっちり20年ごとに新紙幣が発行されるというサイクルが確立しました。

 C一万円券発行は、1958年(昭和33年)12月1日ですが、C五千券は1957年(昭和32年)10月1日と1年以上前に発行されています。 そして、C千円券の発行は1963年(昭和38年)11月1日とかなりずれています。

なぜD券から20年おきの発行となったのか

 新紙幣が発行される理由は、偽造防止がその主たる理由です。そうであるのなら、新紙幣が発行される時期が分かるような発行システムの採用は、偽造防止という本来の目的からはかけ離れたものだと感じます。なぜ、20年おきに新紙幣を発行することになったのでしょうか。

 その理由をネットで調べても、検索結果で出てくるのはアクセス稼ぎのサイトばかりなので、止めます。今回は、最初からAI、Copilotを使って調べます。すると、しっかり答えてくれました。

ネコ師
ネコ師

日本の新紙幣発行が20年おきになったのはなぜか教えて。

Copilot
Copilot

日本の新紙幣が約20年おきに発行される主な理由は、偽造防止と技術の維持・継承です。

 

偽造防止:  偽造技術が進歩する中で、紙幣の安全性を保つために新しい偽造防止技術を取り入れる必要があります。これにより、偽造紙幣の流通を防ぎ、紙幣の信用性を維持します。

 

技術の維持・継承:  紙幣のデザインや印刷技術を次世代に継承するために、定期的な更新が必要です。これにより、技術者が経験を積み、技術の継承が確実に行われます。 このようにして、日本の紙幣は約20年ごとに刷新されることで、偽造防止と技術の維持・継承を図っています。

 この20年ごとに刷新される紙幣の仕組みは、偽造防止だけでなく、「技術の維持・継承」が大きな要因だと感じます。そして、思い出すのが、神宮式年遷宮(じんぐうしきねんせんぐう)です。伊勢神宮の式年遷宮が20年ごとに行われてきた最大の理由は、技術の継承にあったようです。

 技術の継承のためには、20年という期間が日本人が長い歴史から学んだひとつの区切りなのでしょう。これより長いと技術が失われる可能性が高く、短いと不経済となる。

 新紙幣を制作しているのが国立印刷局の技術系職員で「工芸官」と呼ばれる人たちです。彼らはセキュリティ上、名前も年齢も正確な人数さえもすべて非公表となっています。

 2024年3月2日放映のNHK 「探検ファクトリー」という番組で、この工芸官のすご技が紹介されていました。

 工芸官のすご技は番組をご覧頂くとして、管理人が思ったのは、これだけのすご技を持つ人たちの退職後のことです。彼らなら、偽札の原盤を作ることができます。昔、工芸官をやっていて、その技術を生かして芸術家になりました、という話も聞きません。退職後でも経歴を明かすことができないルールがあるのでしょう。なんとももったいない話しだと感じました。日本のすご技職人の使い捨て文化のように感じます。もの凄い技術を持つ本当の職人たちが日の当たる場所にでることは決してないのです。実際のところ、以前工芸官として働いていたなどとうっかり漏らしたら、どんな危険な目に遭うかも知れません。世の中、良い人間ばかりではないので。

 新札発行からひと月が経った昨日、郵便局のATMで新札を初めて手にしました。これって、自販機で使えるのか不安がよぎります。自販機などの新札対応はどの程度進んでいるのでしょうか。