今日は、技術士を取得する方法について書きます。
技術士は、技術者にとって最高峰の国家資格です。
管理人は、あまり勉強しないで取得したのでその要点を書きたいと思います。
別に自慢しているのではなく、取得するにはコツがあるということです。
1次試験
1次試験は合格していることが前提です。
ちなみに、1次試験の時は、問題集を買いましたが、1時間見ただけで放り出しました。勉強らしきことはこの1時間だけ。
こんな難しいことを今さらできない。問題集を見るととても難しく、合格などおぼつかない。
ところが、合格は簡単でした。思ったより高得点で、85点くらいだったと思います。
全然勉強していないのに高得点がとれるのは、技術士の試験制度にあります。技術士試験は、大学受験ではありません。試験問題を作成する人は当然そんなことは分かっています。そして、大学受験に必要な知識を持っているだけの人が技術士になっても何の役にも立たないことも知っています。
実は、これが技術士試験の面白い仕組みです。
大学入試レベルの計算能力を試験するのではないということです。
試験は、問題を選択できるようになっています。計算問題は難しいので、それ以外の問題で正解できればよいのです。つまり、計算問題を選択しなければよいのです。計算問題のために勉強する必要もありません。技術士の1次試験のために大学入試の時のような勉強をする必要はありません。そもそも、技術士を受験しようとする人は、その程度の知識が備わっているのが前提です。計算問題でも簡単なものがあるので、そんな時にはしっかり得点しましょう。
ちょっとここで、そもそも論を書きたいと思います。
資格試験は、「その能力が現在備わっているか」を問う試験だと理解しているので、一所懸命勉強して資格を取るという発想は、管理人にはありません。勉強しなければ受からない人は付け焼き刃の技術士だと思います。
とはいいながら、ある程度のことをやらないと、受験料ばかり納めることになります。
二次試験
次に2次試験です。
これが難関です。管理人は、2回落ちました。ここで言い訳をすれば、2次試験の前日に長期海外出張から帰ってきたばかりで準備ができていなかった・・・・。2回とも全く勉強しないで受験しました(汗)。
これは言い訳にしか過ぎません。こんな状況では、2次試験は受からないのは当然です。
では、2次試験が受かるための方法とは?
それは、管理人の勉強方法が参考になると思って、書くことにしました。
技術士の資格を取得された方は、たくさん勉強されたと思います。体験談などもHPにアップしている方もいます。しかし、あまり参考になりません。読者が求めているのは、努力して取得した経験ではなく、取得のコツだからです。働いている人には大学受験の時のような時間はありません。
管理人が落ちた時の原因ははっきりしていました。論文を書けなかったからです。年間、千ページ以上の報告書を書いていたので、簡単に書けると思っていたのが間違いでした。報告書と試験の論文では書き方が違うということに気づかなかったことが敗因でした。
前置きはこのくらいにして、管理人の勉強方法を書きます。
1.過去問を調べる
受験する技術分野の過去問を調べます。技術分野なので、突飛な質問はありません(大学受験のような選抜試験ではなく資格試験)。オーソドックスな設問です。年による変化はあまりありません。
2.白書を調べ、キーワードを抽出する
白書は6月に刊行されます。どの技術分野であってもその技術を所管する省庁があり、白書を刊行しています。このキーワードを押さえます。これがとても重要で、合格の正否を分けます。このようなことは誰も書いていませんが。6月まで待たなくても、前年の白書に目を通しておくと、新しい白書で何が変わったのか、キーワードが直ぐに分かります。それに、キーワードには色が付いているので、誰でも分かります(笑)。
3.想定設問を作る
過去問と白書の傾向から、想定される設問を5~6問程度に絞り込みます。本当は、合格者が使った解答を入手できれば良いのですが、自分で作った方が勉強になります。
4.想定設問の解答を作る
抽出したキーワードを盛り込みながら、設問の解答を作ります。この時の重要な点は、字数制限よりも少し多めに書くことです。この理由は、試験会場で覚えていたはずの解答を忘れるからです。字数は重要なので、注意しましょう。基本的には、字数制限一杯を目指します。
5.設問の解答案を暗記する
その後は、作成した解答を紙に手書きで延々と、何度も何度も書き写します。
管理人は、ワードで原稿用紙を作り、手書きする練習をしました。
普段、ワープロに依存しているため、漢字が書けなかったり、コピー&ペーストの習慣が身についています。切り取って別の場所に貼り付けるという方法です。ところが、手書きの場合はこれができません。この手書きの練習が最も重要だと思います。時間が勝負なので、消して書いたりしている時間はありません。試験会場では、覚えている設問の解答を文字に書き出すだけです。
管理人は文字を書くのが遅いので、鉛筆で書きました。少しだけ速く書けますし軽いので。
6.想定外の設問が出た場合
技術分野によると思いますが、洗練された5つの想定問を作っていれば、組み替えで対処できると思います。管理人の場合は、想定外の問題が出ましたが、準備した想定問の解答を切り貼りして書きました。中身はともかく、キーワードが効いたと思います。試験官はキーワードが入っているかで採点すると思います。
時間に余裕のある方は、想定問を10問でも100問でも作られたらよいでしょう。そして、管理人が、なぜ、5~6問としたのかが分かると思います。長文を覚えるのには限界があります。何事も経験です。
たかが資格、されど資格。どうせ資格をとるのなら楽してとればよいと思います。
最後に、もう一つ、貴重な情報を書きます。技術士の審査をしたことのある方からオフレコで聞いた話では、「公務員の論文が圧倒的に優れている」ということ。つまり、文章能力が公務員の方が高いという事実でした
。
この意味をどう理解するのかで、勉強の仕方が変わります。
管理人にとってはかなりショッキングな情報でした。
この意味は、・・・・、校正されない文章は決して公にはならない、ということ。公になるにはそれだけ校正というステップを踏んでいると言うことです。校正されるから文章がうまくなる、とも言えるでしょう。
7.面接
実は、管理人が一番勉強したのが最終の面接でした。試験官によってはとても難しい質問をしてきます。
面接まで来たのだから、ここで落ちたら笑えない。この時ばかりは必死で勉強しました。胃が痛くなりました。
でも、短い時間で勉強できることなど限られています。案の定、面接会場ですっかり忘れてしまいました。付け焼刃は通用しないようです。結局、面接では、「技術士とは」という必ず質問される法律のことだけを覚えておけば良いようです。
2次試験では、選択問題で取りこぼしがないように、普段から、技術を所管する省庁のHPを見て、何がキーワードなのか、そして、キーワードの意味する所を正確に調べておいた方が良いでしょう。
勉強らしいことはこれだけで十分です。取りこぼしがなければ。過去問の難しい問題に惑わされる必要はありません。難しい問題は選択しなければよいので。
次回は、「ネコ師、博士号を取得。楽して取得したその秘密とは!」を書きたいと思います。
楽することだけ考えている管理人にとっても、働きながらの博士号の取得には苦労し、まるで薄氷を渡る思いでした。今でも夢に見るほどです。それでも、様々なノウハウを駆使し、論文を書き終えました。やはり、資格試験にはコツがあるということです。短い人生、楽して資格を取得しましょう・・・、が管理人のモットーです。
血のにじむような努力をして資格を取得する人と、そうでない人がいます。コネがきかない国家資格の取得にその差が歴然として現れます。
「あなたは何ができるの? それは誰が証明するの?」
転職をしようとしている方にとって、この質問は必ず直面することです。履歴書にはいい加減に書けますが、何をどの程度できるかは、職員採用担当者にとっても分からない部分です。そこで生きてくるのが資格。
「たかが資格、されど資格」。誰が見ても客観的にその人の能力を証明しているのが資格です。
技術士は短期決戦で取得できますが、博士号はそうはいきません。博士論文で苦労されている方が結構いらっしゃると思うので、管理人の使ったノウハウを公開したいと思います。