未知の動物との遭遇 その1
管理人のいる二階の部屋の窓を開けると、眼下に空き地が広がっています。小さな家なら3軒くらい建ちそうなスペースです。
いつものように、窓を開けでたばこを吸っていたら、空き地に変な生き物がいます。最初は猫だと思ったのですが、猫にしては大きい。何だろうと思っていたら、その動物がこちらを見上げました。
その顔は、キツネのように鼻が出ています。猫ではない。では、何なんだこの動物は?
すると、その動物は、こちらに近づいてきて、ブロック塀をよじ登り、その上の鉄製フェンスも乗り越えて、どこかに行ってしまいました。逃げていったのではなく、悠然と去って行ったという感じです。このブロックとフェンスは地上から3メートルくらいの高さがあるのに、何の苦労もなく簡単に乗り越えました。何という敏捷性。猫の比ではありません。
気になったのでネットで調べてみると、たぶん、「アナグマ」だと思いました。こんな都会の住宅街にアナグマがいることにビックリ。こいつは爪が鋭くちょっと強そうなので、うちの猫と鉢合わせしないように気をつけることにしました。うちの年老いた猫では戦いになりません。
未知の動物との遭遇 その2
それから2週間後の昨日のこと。1階の居間でテレビを見ていたら、窓の外から「チチチチ チチチチ」という音がします。エアコンが変な音を出しているのかなぁ、と思っていたのですが、この音が鳴り止まないので、窓の所に見に行きました。
すると、2メートルくらい離れたところ、ブロック塀に上に大きなネズミがいます。そして、こいつが「チチチチ」と鳴いていました。立ち上がって。
管理人は窓を開けたのですが、ネズミは逃げる様子も見せずに、「チチチチ」と鳴き続けています。
通常、ネズミは人間の姿を見たらすぐさま逃げ出すものですが、このネズミは違いました。
まったく逃げるそぶりを見せないので、水をかけることにしました。ここに居着かれても困ります。ネズミとお友達になる気もありません。
水を持って窓辺に戻ると、ネズミの姿はなく、逃げたかと思ったら、フェンスの裏側で「チチチチ」と鳴いている声が聞こえたので、そこをめがけて水をかけたら、今度こそどこかに行ってしましました。
ここで、「ネズミ」と書いていますが、これが奇妙な生き物なのです。普通のネズミならよく知っています。四つ足で地面に這いつくばっています。ところが、この「ネズミ」は二本足で立ち、上を向いて「チチチチ」と鳴き続けていたのです。しかも、首のラインが特徴的で、まるでカワウソのようなしなやかなくびれがあります。そして、ビロードのような毛並み。では別の動物なのか? でも顔はどう見てもネズミです。間違いなくネズミです。
大きさは15センチくらい。色は茶色、だったと思います。まるでアニメの世界に登場する二本足になったときのネズミの姿でした。首のラインのヌメッとした見た目が目を引きました。
なんだろう、この生き物は。たぶん、「チチチチ」と鳴いていたのは5分くらいだと思います。ネズミがこんなに連続して鳴くものでしょうか。まるで、誰かを呼ぶように鳴き続けるネズミ。本当に絶え間なく「チチチチ」と鳴いていました。機械音のように。
もしかしたら、逃げ出したペットなのではとも考えたのですが、こんなネズミをペットにするとも思えない。
そして、猫が消えた!
我が家の飼い猫のピーちゃんがどこかに行ってしまい、帰ってきません。もう死んでいるのは100%確実なのですが、遺体が見つからない。
最近、体調が悪く、フラフラの状態でした。あと、数日持てば良い方、という状態でした。最期なので好きなようにさせていました。お隣の駐車場が居心地がいいようで、ずっとそこにいたのを何度も確認していました。
ところが、突然、失踪。帰ってきません。たぶん、近くで死んでいると思い、ご近所の庭まで許可を得て探し回ったのですが、見つかりません。もうフラフラ状態だったので、遠くに行くはずもありません。側溝の中まで探してもやはり見つかりません。
この時期、死後、二、三日すれば死臭が漂ってくるはずです。匂いを頼りに探したのですが、見つからない。どこに消えてしまったのだろう。
ここで、アナグマのことを思い出しました。アナグマに死体を持って行かれたのではないか。
そう考えると、謎が解けます。
こんなことが本当に起きるのか。管理人は半信半疑ですが、これ以外、合理的な説明がつかない。こんな住宅地で起きるものなのでしょうか。もう一匹の飼い猫の命も危ういかも知れない。今のところ元気ですが、何しろ老猫なので、アナグマに太刀打ちできるとは思えません。夜は、確実に家の中に回収して、不測の事態に備えることにします。