ボリビアのウユニ塩湖 第4回

気になること!

最終回です。

2010年1月に再びウユニ塩湖に行きました。約700枚の画像を本館にシリーズでアップしています。雨季の塩湖もすばらしいです。

ウユニ塩湖の事故

現地の新聞をネットで調べたら事故は、「ウユニの町から55Km地点、塩のホテルと島(Isla de pescado)との間で起きた」と書いてありました。

2台のジープに合計14名が乗っており、このうち運転手1名だけが奇跡的に助かったそうです。衝突直後に燃料に引火して爆発が起きたそうです。

先日の記事にも書きましたが、私も正面衝突の事故に巻き込まれたことがあるため、この事故は特にショックでした(お亡くなりになられたすべての方々に黙祷)。

双方のジープとも時速130Km程度で走っていたと思います。あの道路ではそれが普通です。
それが正面衝突をして、しかも運転手が助かったという記事を見て、にわかには信じられない気分でした。

助かった運転手はポトシの病院に運ばれ手当を受けているが、症状は火傷ということでした。写真が載っていましたが、首には何も巻いていないのでムチ打ちの症状はないようでした。

私が車の横転事故に遭ったときは、むち打ち症になり(横転の衝撃で、頭の重さのため首から肩にかけての筋が伸びてしまいました)、痛くて首を支えられない状態でした。

むち打ちの人が首に幅の広い筒のようなものを巻いているの見たことがあると思いますが、その必要性を実感しました。あの支えがないと自分の頭を支えられないのです。

人間の頭が重いのは誰でも知っていますが、それを支えている首を普段は意識しません。でも、むち打ち症になると、その重い頭を傷ついた首が支えることができないのです。
だから、あの筒のようなものが必要になります。あの筒のようなものは発砲スチロールでできていて、首に負担をかけずに頭を支えることができます。

私は、自分で実際使うまで、あれは石膏でできているものとばかり思っていました。もしかしたら、以前は石膏だったのかも知れませんが、今は発泡スチロールで、とても扱いやすくなっています。

さて、話を戻しますと、・・・・
とてつもなく広い塩湖の真ん中で、しかも道路もないところで、なぜ、正面衝突の事故が起きるのか不思議です。

実際は、塩の厚さが薄いところがあるため、皆、同じルートを通ります。また、点と点を結ぶルートの最短距離は直線です。だから、自然に道ができます。

でも、見通しが良いという言葉も当てはまらないほど周りには何もないところで、対向してきた2台の車が正面衝突するなど考えられないことです。

考えられないようなことが起こる、だから事故なのでしょうが、何ともやるせない気持ちでいっぱいです。

最初、ウユニ塩湖の近くで事故があったという報道を新聞で読みました(私はテレビを持っていないので、情報源は新聞とネットです)。

この時は、ウユニの町に行く途中の道路で正面衝突したのだと思っていました。
前の記事で書いたように、危険なところがいっぱいだからです。

ところが、ネットで調べたら「湖上で衝突したらしい」という記事を見つけ、スペイン語で検索して事故の報道を探しました。

そこで感じたのは、メディアの報道姿勢の違いでした。南米のメディアは、国籍を問わず被害者について公平に報道していました。

もちろん、ボリビアのメディアは自国の被害者を詳細に報道していましたが、日本とイスラエルの被害者についてもしっかり報道していました。

ところが、日本のメディアは、日本人だけに目が向いていました。それ以外のことは無視です。すべてが「日本人中心」の報道でした。

それは日本人なのだから日本人中心が当たり前で、何が悪い、という声が聞こえてきそうです。 そうかも知れません。

でも、本当にそうなのでしょうか。「日本人」以外の情報はメディアの編集で取り除かれ、情報の受け手である私たちには、「日本人中心」という考えに基づく情報だけが伝えられたのです。

だから、私たちはそれ以外の情報を知る由もないのです。そして、それが当たり前と思わされてしまっているのではないでしょうか。

前回の記事で、日本人は世界の孤児と書きましたが、実は日本では情報が公平な視点で伝えられていないのではないか、と思いました。

だから、これだけグローバル化した現代において、国際的バランス感覚のない人たちが大勢いるように思います。

イラクの米軍の戦死者の数は大々的に報道するのですが、米国が入ってこなければ死なずに普段通り暮らしていたイラク国民の死者については、おまけ程度の報道です。

それについて情報を受ける側の私たちが疑問も感じず、当たり前になっているところが、恐ろしいことだと思いました。

さて、下の写真が有名な塩のホテルです。欧米人は宿泊していましたが、さすがに日本人はいなかったと思います。

トイレからの汚水が採塩の衛生上問題があるということで、一時閉鎖していたようですが、また、復活しているのでしょうか。最近の状況は分かりませんが。

魚島に行く途中で寄るので、わざわざここに宿泊までする必要はないように思う、というのが日本人の感覚で、欧米人は、わざわざこんな僻地まで来たのだから、こんな所に泊まるという感覚なのかも知れませんね。
私にはよく分かりませんが。

ただ、夜の景色は神秘的だろうと想像できます。
満天の星空の下、周囲360度、見渡す限り何もない塩の湖面に反射する月明かりは想像を絶する美しさだろうと思います。

日本人は泊まらないから、誰も体験談を書かない。だから泊まらない。
欧米人は泊まるから、体験談から別の観光客が泊まりに来る、という構図でしょうか。
価値観の相違でしょうか。それとも美的感覚の違いでしょうか。

それとも、ガイドブックの質の問題でしょうか。彼らがよく使うガイドブックはこの記事の前の記事で紹介していますので、参考にして下さい。

塩のホテル

塩のホテル。壁、テーブル、イス、床、ベッドなど、すべて塩のブロックでできています。

ウユニ塩湖 塩のホテル

ウユニ塩湖016

ウユニ塩湖

魚島(Isla del pescado)

事故は、塩のホテルとこの魚島との間で起きました。