19世紀フランスのアカデミズム絵画を代表する画家ウィリアム・アドルフ・ブグロー(1825 – 1905)は、神話や天使、少女を題材とした絵画を多く残しました。
彼が残した作品の中に「羊飼いの少女(The Little Shepherdess, 1889)」という絵画が二枚あります。
The Little Shepherdess(羊飼いの少女), 1889
下の写真は、管理人が以前、ボリビアで撮影したものです。
グブローの「羊飼いの少女」を見るたびに、この写真のことを思い出してしまう。雰囲気が似ている気がします。
この写真は、被写体から30m以上離れた場所から、望遠で撮影したものです。少女の顔が警戒心丸出しです(笑)。彼女の格好は、ポーズをとっているわけではありません。撮影されるのがいやみたいで、この後、すぐに背を向けてしまいました。
この写真には、なぜか人を惹きつける魅力があるように思います。
足は裸足で、粗末な服装。まるでグブローの描く田舎の少女のモデルが目の前に現れたようです。そして、グブローの描く少女よりも魅力的に見えます。
グブローが多く描いた田舎の少女たちは、最初、とてもリアルで、清純な感じがしたのですが、上の写真を見た後でグブローの絵を見ると、グブローのロリコン趣味を反映しているような、清純とはかけ離れた印象を受けるから不思議です。今まで、美しく見えていた絵が、全く違ったものに見えてくる。
グブローの絵画に対する評論家の解説が一瞬で崩れ去る写真。
上の少女の写真が管理人を惹きつける理由は、少女の警戒心を持った眼差しなのかもしれません。