NHKの「 歴史秘話ヒストリア」のオープニング曲を聴いて、「良い曲だなぁ」と思っていました。
厚みのあるハーモニーがインパクトがあります。透明感のある歌声と、打ち寄せる波が重なりあうようなハーモニーがとても印象的でキレイです。
調べてみると、「Kalafina」という3人グループが歌う「storia」という曲でした。作詞作曲は「梶浦由記」。
Source: YoutubeのKalafinaオフィシャルリンク「Kalafina Official YouTube Channel」
「storia」とは、イタリア語で歴史という意味。スペイン語なら「historia(イストリア)」。[H]は発音しません。 「歴史秘話ヒストリア」にピッタリの曲名です。
このオフィシャルサイトの画質がとてもひどい。何なんだろう? カメラワークもへたくそ。素人が撮ったような映像だ。その点、中国公演の動画はさすがはプロという感じの撮影。音声と映像をピッタリと合わせている。この違いは何なんだろう?
ところで、「 歴史秘話ヒストリア」の「ヒストリア」って何語?
「 歴史秘話ヒストリア」の「ヒストリア」って何語?
「Historia」とは、史書を意味するラテン語なのですね。スペイン語のイストリアの響きを持つ言葉なので、ラテン語だろうと思ったのですが、やはりという感じです。ラテン語でもHは発音しなかったような? すると「ヒストリア」とは「和製ラテン語」ということでしょうか。
「Kalafina」はアドホックユニットとして企画されたのでしょうか。この世界には疎いので知りません。
「Kalafina」という文字は、「K」からはじまっているので面白いなぁと思いました。たとえば、スペイン語では、日本語のカ行は「K」の他、「C」「Q」で書き表すことができます(という場合もある)。そして、「K」ではじまる言葉はほとんどありません。研究社の西和辞書(1700ページ)でも、「K」の見出し語はわずか2ページしかありません。「K」ではじまる言葉は本当に少ないのです。だから、storiaとkalafinaという単語を見たときにとても違和感を覚えました。これが、Kalafinaに関心を持った理由です。
「Kalafina」はたぶん意味のない言葉だと思います。梶浦由記さんの造語でしょうね。
意味が分からない言葉を聴いているのは疲れます。頭の中で翻訳しようとしてしまうので。でも、意味が分かれば、全く別の感覚が自分の中で生まれているのを感じます。
「ヒストリア」という日本語が使われた最初の文献とは何でしょう?
ちょっと気になったので、調べてみました。
1592年に、イエズス会の宣教師と不干(ふかん)ファビアンと名乗る日本語信者との協力によって編集、出版された天草版『平家物語』と呼ばれるものがあります。このテキストはアルファベットで書かれた日本語で、ローマ字読みすると読むことができます。この本のタイトルページに『にほんのことばとヒストリアをならいしらんと欲するひとのために世話にやわらべたる平家のものがたり』と記されています。
(出典:『日本語の考古学』、今野真二、岩波新書、2014、p.140)
管理人の想像ですが、歴史という単語は、ポルトガル語(História)でもスペイン語(Historia)でも、最初のHは発音しないので、「イストリア」という発音になります。しかし。書くときはHを付けるので、アルファベットで書かれたものを日本語読みすると「ヒストリア」になるのではないでしょうか。1592年は、文禄・慶長の役が始まった年です。
「星屑のチター」ってどんな意味?
言葉って面白いですね。
ついでに、「星屑のチター」ってどんな意味?
「Yahoo知恵袋」では、質問者さんが「チターとは弦楽器のことのようです」という回答に満足されているようですが、それだと意味不明です。「星屑の弦楽器」???
大正琴のような弦楽器チター(ツィター:Zither)。しかし、ドイツ語はZの音はチとかツィとは発音しないと思うけど。普通は少し濁った「スィター」のように聞こえる。
チターとは梶浦さんの経歴から考えてイタリア語のCitaraのことでは? 勝手な推測ですが。
Kalafinaの中では、「Wakana」こと大滝若菜さんが管理人のお気に入りです。storiaではとてもきれいなソロの部分に惹きつけられます。Wikiによれば、「圧倒的な歌唱力と透明感のある歌声で注目を集める」そうです。Wakanaさんは、ホタルノヒカリの山田姐さんを演じた板谷由夏に雰囲気が似ている、・・・ように思う。おねーさんタイプ。
真ん中の「Keiko」こと窪田啓子さんは、とても楽しそうに歌っていて、管理人もビデオを見ていて楽しくなります。この人、美人に見えますが、メイクのせいでしょうか(どのビデオを見ても美人なので、本当に美人なのでしょう)。低音が魅力的です。中森明菜のように話すときも低音というわけではないので、音域が広いのでしょうね。「Hikaru」さんも素敵ですね。彼女の参加でKalafinaの厚みが生まれました。みんな、歌が上手です。ライブって、歌手の皆さん、いい加減な音程で歌っていますが、ライブ中心に活動してきたKalafinaは、ブレがなく安定した歌で凄いと思います。
Kalafinaのビデオの中で、「moonfesta~ムーンフェスタ~ 」が好きです。曲が良いのはもちろんですが、Kalafinaの三人が皆、本当に月夜のフィエスタ(祭り)を心から楽しむように歌っています。
間奏の横文字の歌詞はなんと言っているのか、その意味は?
『Storia』の中で、横文字の歌詞が出てきます。
なんと歌っているのでしょうか。
作詞:梶浦由記
作曲:梶浦由記
秘密の黄昏に
君の手を取った
古のバラード
繰り返すように紡ぐ
romance of life
君のことをいつも歌いたい
悲しい夜を温もりで満たして
愛を見つけて
ヒナギクが咲いてた
白い月輝いてた
君の囁きで始まるよ
永久(ことしえ)のstoria
*** 間奏 ***
canti ma sa amari a
水の中 [静かに] 沈んで行った
懐かしい恋の物語
光と影の中から
愛しさは生まれて
還る
*** 間奏 ***
canti mia solitua
君の目を見てた
marce mia savitua
その腕の中で
恋人の囁き
星屑のチター
古えのバラード
泉を満たして
風は西へ
優しい歌を君と歌いたい
五月の月が今此処にある
恋の歌が今宵響くから
冷たい胸を温もりで満たして
語ろう
愛のstoria
間奏部分の横文字の歌詞は三つ。Storiaの歌詞を掲載しているサイトでも、この部分はなかったことにしています(笑)。
- canti ma sa amari a
- canti mia solitua
- marce mia savitua
- 歌って、でもそれが苦いのを知っている
- 私の孤独を歌って
- 私の救世主の行進
こんな感じかも。