三浦百恵さん:キルトの作品集で返り咲く

すてきな写真

 1980年10月15日。今から38年9ヵ月17日前、山口百恵さんが芸能界から完全引退しました。

 芸能界を引退後の百恵さんは、芸能界に復帰することはなく、二人の息子を育て上げ、今年還暦を迎えました。

 「赤い疑惑」で百恵ちゃん(幸子)が「再生不良性貧血症」で亡くなります。

 「サインはV」の「ジュン・サンダース(范 文雀)」は「骨肉腫」で亡くなるし、巨人の星の星飛雄馬の恋人、日高美奈ちゃんは「黒色肉腫(メラノーマ)」で亡くなりました。

 ヒロインを難病で無残に殺すことで視聴率を稼いでいた時代ですね。こういう安易な番組の作り方に難病患者支援団体から非難されることになりますが、

 「赤い疑惑」のヒロイン「幸子」の死は、多くの視聴者に喪失感を感じさせたようです。

 そんな役を演じた百恵さんも今年還暦を迎えました。お元気そうでうれしい。

 百恵さんの人気は根強く、引退後から現在までずつと語られ続けてきました。引退後の百恵さんの写真は一度も公開されたことがありません。お行儀の悪い一部メディアが盗撮した写真を掲載したことはありましたが。

 ところが、ここにきて、百恵さんご本人が本を出版することになり、その中に数枚の写真が納められているそうです。その本とは7月26日発売の『時間(とき)の花束 Bouquet du temps [幸せな出逢いに包まれて]』というキルトの作品集です。

 本の収益金は、東日本大震災やその後の天災などに遭われた被災者支援のために寄付するそうです。なぜ、今? と思った方は、ぜひ、本を買って読みましょう。キルトを縫う運針のひと針ひと針があの日の不安な心を落ち着かせた。

 現在の百恵さんは、吉永小百合さんに似たお顔になったようです。

 ご主人の三浦友和さんは、『三丁目の夕日』や『鎌倉ものがたり』などにも出演され、渋い役どころを好演されています。

 「赤いシリーズ」の二人はとても似合いのカップル。二人が結婚しても全く違和感がなかったと記憶しています。

 引退後、マスメディアから完全に姿を隠していた百恵さんが誰もが全く予想だにしなかった作品集の発行という形で返り咲きました。

 ただ、マスメディア関係者で当時の百恵さんのことを覚えている人たちの多くは、この世にいないか、または現役を退いているはず。マスコミの人たちも世代交代で、百恵さんのことをテレビの生放送で見たことのある人はいないはずです。もしいたとしたら、さっさと引退して、後進に道を譲れよ、と言いたくなるお年の方です。

 引退後、38年9ヵ月。遠い昔のことですね。昼のテレビ番組でこの本のことを知ったのですが、ゲストの人たちの反応の鈍いことと言ったらありゃしない。百恵さんのことを知らないのです。