再び池田七帆ちゃんの記事です。
池田七帆さんが2020年1月31日に以下の写真をアップしました。日本の公園で撮影したもののようです。
これはどこで撮影したのでしょうか。ちょっと気になったので撮影場所を探してみました。すると”どつぼにはまる”ことになってしまった。トホホ・・・。
見つからない撮影場所
今回の訪日における彼女の行動は、前回の記事で大体特定していたので、この撮影場所は簡単に見つかると考えていました。ところが、全然見つからない。
簡単に見つかると思っていただけに、見つからないと悔しい! そこで意地になって調べました。しかし、見つからない。
何か方法論が間違っているのだろうか?
今日の記事は、撮影場所の特定に至る過程を紹介するとともに、こんなに苦労することになった原因を探りたいと思います。
管理人の関心は、中国のコスプレイヤーの追いかけをすることではなく、画像情報からいかに情報を探し出すか、そのテクニックの蓄積にあります。だからこそ、簡単に分かると思った今回の撮影場所の特定ができなかったことが、管理人にとってはとても不可解なことでした。
分からないままに諦めるということも考えましたが、そもそもなぜ特定できないのか、という原因を知りたくなりました。そこで、いつものように膨大な時間を費やして、やっと特定に到りました。
まずは、管理人がどのように調べていったのか、その過程を説明します。
画像をよく見る
最初に、七帆さんがアップした9枚の写真をよく観察します。すると、次のようなことが分かります。
- どこかの公園。たぶん、児童公園ではないか?
- 黄色の幅の広い滑り台。これはとても珍しい。
- 滑り台にはアスレチックが付いている複合遊具であること。
- ブランコの座面や鎖が新しいことから、最近設置した遊具、あるいは新設の児童公園かも。
- 七帆ちゃんが斜めの姿勢で立っている写真の後方に二台のスプリング遊具に乗っている女子高生が写っていること(たぶん、七帆の友達)
- 背景はどの角度の写真でもマンションのようなビルが写っていること。
大体こんな所です。
これをヒントに類似画像を探します。
すると、以下の画像がヒットしました。
この公園で撮影されたと思われるたくさんの画像がヒットします。
あとは、この写真がどこで撮影されたものかを調べるだけです。楽勝です!
そう考えていたのですが、現実は違いました。
まず、この写真をアップしているのは、Marokeさんというフリーのカメラマンの方です。多くの写真販売サイトにたくさんの写真をアップされています。
写真の撮影は2017年になっています。しかし、撮影場所についての情報はどこにも書かれていません。これだけたくさんの写真があるのに、撮影場所の情報は書かれていない。
Marokeさんは品川在住のようです。そこで、品川の児童公園(児童遊園)を調べてみます。しかし、このような特徴のある遊具を設置している公園は見つかりません。
そこで、調べる範囲を広げます。
品川区に近い区から順に調べていきます。しかし、23区を調べ終わってもヒットしません。
もしかしたら神奈川かも。
そこで、横浜、鎌倉など、神奈川県の主要な都市の公園を調べます。しかし、見つかりません。
今度は、千葉、埼玉、さらには周辺の県まで範囲を広げて調べますが、やはり見つからない。
一体どこなんだ、撮影場所は! 次第に苛立ちが募ります。
画像検索エンジンを変更する
これまでの場所の特定には、Googleの画像検索を使いました。さらに、特定の地域、たとえば品川区などの場合、Googleマップを使い、ストリートビューで遊具の形状を確認しました。このようなことができるのはGoogleだけなので、どうしてもGoogleを使って調べることになります。
しかし、これだけ調べても見つからないなんて、どこかがおかしい。
そこで、画像検索をbingとYandexに変更して調べてみます。しかし、直ぐに、この方法は使えないことが分かります。
まず、Bing画像検索は、表示される画像の数がとても少なく、使い物になりません。キーワードを絞り込まないと外国の公園の遊具まで表示されてしまいます。
Yandexは、女の子の写真しか表示されません。なにか設定が悪いのでしょうか。最後の切り札だったYandexが使い物にならない。これは本当に困ったことになった。
糸口はどこだ!?
撮影場所をずっと探していると、夢にまで出てきます。夢の中では、撮影場所が特定できているのですが、目が覚めるとそれを忘れている。
そんな日々が続きます。
Google検索で調べた公園の数は数えきれません。しかし、あるサイトの存在に気づきました。それは、「恐るべき児童公園」というサイトです。東京の児童公園など2000カ所以上を紹介しているサイトです。東京以外も、神奈川の一部の地域の情報もあります。
このサイトなら見つけることができるかも知れない。
そこで、このサイトに掲載されている公園を虱潰しに探します。しかし、見つからない。
何かがおかしい。これだけ探して見つからないなんて、考えられない!
ここで、もう一度初心に立ち返り、画像をよく見ることにします。
画像がすべてを物語っている
Marokeさんの画像や七帆さんの画像を詳細に分析します。すると、次のことが分かります。
- 公園の形は、長方形であること。
- 公園の四つの方向全てに高いビルが見えること。⇒都心の可能性が高い。
- スプリング遊具はクジラとイルカ。製品はタカオ株式会社のもの。外観が綺麗なので設置してあまり年月が経っていない。
- 複合遊具は、アスレチックと幅広滑り台。築山の上に斜面を利用して設置してある。
- ブランコは黄色い支柱。3つか4つのブランコがあり、そのうちの1つは、幼児用の囲いがあるタイプ。
画像から得られた情報を元に、各施設の配置図を描いてみます。これにより、衛星画像で見たときに、除外できる公園を知ることができます。
でも、見つからない。どうしても見つからない。何をやっても見つからない。今日も夢に見そう。
一筋の光
ほとんど諦めモードで調べていたときのこと。Bing画像検索でヒットした一枚の写真が目を惹きました。一目であの公園だと分かります。
Image: Pixta
またMarokeさんの写真かと思ったら違います。Ushicoさんというフリーのカメラマン、二児の母親の写真でした。しかし、撮影場所については書かれていません。
Marokeさんの写真と全く同じ構図なので、二人は夫婦なのでは、という気もします。まあ、誰も関心のないことですが。
Ushicoさんのプロフィールなどを見ていたら、インスタグラムに、「江東区亀戸でレンタルスタジオ studio madoを運営しています。」という記述を見つけました。
えっーーーーっ! 今回の七帆ちゃんの拠点となった亀戸じゃん!
これで、一筋の光が見えました・・、なんてものじゃなく、ハロゲンランプのヘッドライトのハイビームのような光が見えました!
そこで、亀戸を再び調べます。ここは何回も調べているのですが、今回は、公園の形状から調べることにします。
Googleマップの不可解な表示
今回は、Googleマップで公園などのキーワードで表示される場所を無視して、亀戸周辺の四角い形状をした公園だけを探します。すると、見つかりました!
この半月の間、膨大な時間を費やして探し求めた公園をやっと見つけました。
その公園とは、「亀戸南公園」です。
Googleマップで、探していたとき、とても不思議なのですが、この公園の名前が表示されません。他の公園は表示されているのに、この公園だけ名前が表示されない。だから、公園を探していたときに、この公園を見落としていたようです。
画像検索の検証
撮影場所が判明したことで、そこの写真を集中的に閲覧することができます。そして、なぜ、画像検索でヒットしなかったのか、その原因を探ると共に、どのようなキーワードで探すべきだったのかについて検証してみます。つまり、遡りの検証です。
Googleマップで「亀戸南公園」を検索すると下の画像のように表示されます。
左側の写真をクリックすると、たくさんの写真が表示されます。もし、画像検索でこれらの写真が表示されていたら苦労はしなかったのにと思います。
これだけの画像がアップされているのに、なぜ、Google画像検索で表示されないのでしょうか。キーワードの選び方に問題があるということでしょうか。
これを調べる前に気になっていた『恐るべき児童公園』というサイトで「亀戸南公園」を見たにもかかわらず、なぜ見落としてしまったのか、その理由が知りたい。
すると、理由が分かりました。『恐るべき児童公園』で紹介した「亀戸南公園」についての記事がアップされたのは2011年8月21日です。つまり、古すぎるのです。この記事の時点では、滑り台はローラー滑り台でした。スプリング遊具も違います。ブランコの塗装色も違います。あの特徴ある複合遊具ではなかったのです。
管理人は、上で書いたように複合施設やスプリング遊具が真新しいことに気づいていました。つまり、遊具が更新している可能性があること。やはりそうだったのかという感じです。これでは見つからないはずです。
これで、『恐るべき児童公園』で確認しても見つからなかった理由が判明しました。
次は、いよいよキーワードの問題です。
最適なキーワードとは何だったのか?
様々なキーワードを使って調べているので、もうこれ以上は無理、という感じなのですが、逆に、「亀戸南公園」の新しい遊具の写真が画像検索でヒットするには、どのようなキーワードで調べるべきだったのかを考えてみます。
当然、「亀戸南公園」かどうかは分からない前提です。
これまでに使ったキーワードは、「児童公園、児童遊園、東京、品川区など24区と周辺の市の名前、2016年、2017年、2015年、滑り台、黄色、スプリング遊具、クジラ、イルカ、ブランコ、複合遊具、・・・・」などなどたくさんのキーワードで調べましたが、「亀戸南公園」のあの遊具の写真はヒットしません。
試しに、「亀戸,公園」で検索してもヒットしません。これでは見つからないはずです。Googleマップでは表示されている写真が、Google画像検索では表示されない。
さすがに、「亀戸南公園」で検索すれば、現在の遊具がいくつかヒットしますが、見落としそうなほど分かりにくい写真です。
上位に表示されるのは、『恐るべき児童公園』が掲載している古い遊具です。Google画像検索は、キーワードを無視した内容が表示されるので、キーワードを追加しても意味がありません。
結局、「画像検索」ではなく、「サイトの検索」結果が優先されるようで、検索の上位に表示されるサイトに掲載されている写真を見境なく画像検索結果に並べているという印象を受けます。このため、キーワードとは全く関係のない画像が上位に表示されています。やはり、機械には目がないので、文字情報から判断しているということなのでしょう。
すると、どんなキーワードを使ってもこの場所の特定はできなかったことになります。管理人は、Bing画像検索でたまたまUshicoさんの写真を見つけ、Ushicoさんのサイトを調べて亀戸在住であることを突き止め、その近くの公園を探してやっと見つけた、という流れなので、Google画像検索では見つけることは不可能でした。
どんなにキーワードを駆使しても無駄、ということが分かりました。
見えてきたGoogleの問題点
管理人が特集の記事を書く場合、日本語で12時間、外国語で12時間程度調べてから書いています。しかし、今回の撮影場所の特定にかかった時間は100時間!
どれだけ大変な作業だったのかが分かると思います。そして、この作業を通じて、Googleの問題点も見えてきたように思います。
Google検索は、形の整ったサイトの評価を高くするようですが、その中身の評価はできていません。Google検索の上位に表示される記事は、中身のないコピー記事ばかりでうんざりします。それらの記事はパターン化され、どれもこれも判で押したような同じサイトの作りになっています。
公園紹介サイトで、Marokeさんの写真(亀戸南公園)を使っている記事がありますが、そこで紹介している公園はまったく別の公園です。まるでだましサイトのようです。自分で足を運び写真を撮るのではなく、写真販売サイトで購入した見栄えのよい写真を貼り付けて手軽に記事を書いているようです。
Google画像検索では、画像ファイルの名前、altタグ、画像の前後の文字などに重点が置かれて表示されているように感じます。画像そのものの類似性についてはYandexと比較して劣るようです。このため、そもそも撮影場所の情報が一切ないMarokeさんの写真から撮影場所を特定するということは、Google画像検索では不向きということになります。
画像検索で、結局はBingが最も役に立っています。表示される画像の数が少なく、キーワードを増やすと途端に検索できなくなるという問題はあるものの、今回のような作業をする上ではGoogle画像検索より役に立っています。Google画像検索が劣っているというより、そのような使い方には向いていない検索サービスと言うことです。
もう一つ分かったことがあります。それは、Googleマップに貼り付けられた写真は、Googleはもちろん、他の検索エンジンからもほとんど相手にされていないということ。
Google画像検索とGoogleマップ上の写真との連携はほとんどないようです。このため、Googleマップにいくら写真を貼り付けても、それが画像検索結果にはほとんど反映されない。
これは、Google社が多くの会社を買収してそこの持つ技術をサービスに組み込んできた際の落とし穴のようなものかも知れません。
Googleマップを開いたときに左側に表示される写真、さらに、その写真をクリックすると表示される一連の写真は、Google、Yandex、Bingなどが提供する画像検索の世界からは切り離された存在になっているようです。
実際に、亀戸南公園のGoogleマップの写真を使って、これら3つの画像検索サービスで検索すると、亀戸南公園にたどり着けません。画像検索エンジンとGoogleマップの投稿画像が全くリンクされていない、あるいは、関連づけされていないのです。
これが分かっただけでも大きな収穫でした。
Image: 池田七帆、池田七帆:2020/1/31
せっかくなので行ってきました
苦労して探した公園。夢にまで見た公園。実際はどんなところなのだろう。ということで行ってきました(笑)。
管理人が撮影した亀戸南公園(かめいどみなみこうえん)です。
どうして遊具で子供が遊んでいないのか不思議だったのですが、実際に行ってみると、確かに誰もいません。1組の母子を見かけただけでした。帰りにもう一度立ち寄ったら、じーさんが6人くらい暇つぶしをしていました。
素敵な遊具があり、写真撮影にはうってつけの公園ですが、子供には人気がない? その理由はトイレを見れば分かります。トイレが閉鎖されていました。トイレを壊す悪い奴がいるようです。こんな公園見たことがない。
ついでに、この写真。
Image: 微博、帆七田池 2020年2月13日
これは、亀戸南公園の向かいにある建物で撮影したものです。昼は看板が出ていないので何屋さんか分からないのですが、調べてみると「創作 隠れ家Dining」という食べ物屋さんのようです。
七帆ちゃんが宿泊したのは、「HOTEL MYSTAYS」ではないかと思います。公園から徒歩1分の所にあるホテルです。駅からは徒歩5分くらいでしょう。中国人に人気らしく、ホテル近くのコンビニに中国人の若者が三人いました。