以前から行きたいと思っていた日光観光。今回、思い立って、『江戸ワンダーランド日光江戸村』、『東武ワールドスクウェア』、そして『日光東照宮』に行ってきました。
池袋駅から特急で2時間。東武ワールドスクウェア駅で下車。最初に東武ワールドスクウェアに行き、翌日江戸村、日光東照宮に行きました。
今日は、日光の代表的な三つの観光地を回って感じたことを書きたいと思います。
意外に遠い日光
池袋から東武ワールドスクウェア駅までスペーシアきぬがわで2時間。路線距離は133.6km 。意外に遠いと感じました。電車の運賃は1,850円と指定席2,100円のあわせて3950円(税改正後)。これも高い。
電車に乗っていると、どうしてこんなにトロトロ走っているのだろう? と思うほどゆっくり運転の「特急」でした。新幹線が速すぎると言うことなのでしょうが、バカ高い指定料金を支払っているのにマラソン選手並みのトロトロ運転では納得できない。
ちなみに、下車した東武ワールドスクウェア駅は無人駅です。
駅の出口にこんなものがありました。ICチケットを利用のお客様用のタッチパネルです。普通の紙チケットの人は素通りです。
同じ日光なのに観光客の出足が全く違う
日光東照宮に行って感じたのは、たくさんの観光客が来ているということ。中でも外国人が目立ちます。外国人観光客がなぜこんなに多く日光東照宮に来るのか、とても不思議です。しかも、あちこちでスペイン語が飛び交っています。
管理人は国内のいろんな観光地で外国人観光客をウォチングしているのですが、スパニッシュスピーカーがこれほど多い観光地は他に知りません。彼らの顔つきを見ると、中南米ではなくスペイン本国からの観光客のように感じました。
これに対し、日光江戸村や東武ワールドスクウェアでは外国人の姿はほとんど見かけません。というか、日本人客の数も少ない。
日光東照宮が外国人に人気の観光スポットなのは知っていましたが、この近くにある両施設を訪れる観光客が少ないのに驚きました。
どうしてなのだろう?
東武ワールドスクウェアは閑古鳥が鳴いているし、日光江戸村は小学生がたくさんいましたが、大人は少ない。これじゃぁ赤字経営だろうなと推測できます。江戸村の1株当たりの当期純利益などの財務諸表が公表されていますが、これを見ると、このところマイナスが続いているようです。
東武は親会社が大きいので心配する必要はないでしょうが、江戸村の方は心配ですね。管理人は江戸村がとても気に入ったので応援したい。
日光江戸村や東武ワールドスクウェアはどちらも一日楽しめる施設です。しかし、入場者数が少ない。なぜなのだろう?
その理由は料金にあるのかも。日光江戸村の入園場料はスマホ画面を見せて10%引きになるとして4230円です。これを高いとは管理人は思わない。それは、中に入ると基本的にお金がかからないから。江戸人になるコスプレするとお金がかかりますが、見て回るだけなら入園料だけで十分です。
東武ワールドスクウェアは、入園料が2,800円です。これも高いとは言えません。
ところが、数カ所の観光地を見て回ろうとすると個々の施設の入園料が響いてきます。通常の観光地は、このような施設が密集していません。このため、一日に一つの施設を見て回るという感じです。ところが日光の場合、日光東照宮、鬼怒川温泉、江戸村、東武ワールドスクウェア、日光さる軍団など、観光地・観光施設が密集してあります。このため、観光施設が共倒れ状態になっているのではないでしょうか。
しかし、なぜ日光東照宮だけが一人勝ちなのでしょうか。なぜ、外国人観光客が押し寄せるのでしょうか。
日光東照宮には徳川家康のお墓があり、参拝できます。しかし、それが理由ではないでしょう。徳川家歴代将軍の墓地は増上寺と上野の寛永寺にあります。増上寺の徳川将軍家墓地は拝観可能で、和宮様の墓地も同じ敷地内にあります。しかし、そこを訪れる訪問客は数えるほどしかいません。管理人のような和宮ファンが訪れるくらいです。
日光東照宮に観光客が押し寄せる理由のひとつは、1999年、日光東照宮を含む二社一寺が文化遺産として登録されたことが考えられます。 2017年3月に約40年ぶりの改修を経て、一般公開された陽明門への注目も理由の1つでしょう。テレビでも度々紹介されています。
統計上は、日光市を訪れる外国人で最も多いのは台湾からの観光客のようです。しかし、管理人が日光東照宮で感じた外国人の多さとは、台湾・中国系の観光客ではなく、欧米系の観光客の多さです。
台湾・中国系の観光客が多いのは秋葉原がその代表でしょう。秋葉原のどこに行っても中国語が聞こえてきます。しかし、日光東照宮は違うと感じました。
訪日外国人が使っている観光情報サイトとは
欧米系の訪日外国人が使っている観光情報サイトとはどこなのでしょうか。少なくとも、日本語のサイトではないのは間違いない。ネットでこれを調べると、このようなタイトルの記事を見かけますが、・・・中身がない。ネット上の寄せ集め情報のようで、本当に中身が空っぽの記事ばかりが目立ちます。または、アプリ会社の紐付き記事。
日本の会社が開発したアプリを外国人観光客が使うとは思えない。そもそも、そのアプリの存在すら知らないでしょう。
自分が外国旅行する場合を考えれば分かりますが、役に立つのは、現地に住んでいる外国人(自国の人)の発する情報、さらに、口コミでしょうね。
まあ、今日の所はこの問題はひとまず置いといて、観光地のことを紹介することにしましょう。
東武ワールドスクウェア
東武ワールドスクウェアは、東武鉄道が創立95周年(1992年)の記念事業として5年の歳月と総工費140億円をかけて建設し、1993年4月24日に開業した施設。世界の建造物や世界遺産を25分の1のスケールで再現した世界建築博物館です。
管理人のイメージとしては、米国オーランドにあるディズニーワールドの中にあるエプコットセンターのワールドショーケースのような感じかなぁ、と考えていました。
東武ワールドスクウェアの開業当時から行こうと思っていたのに、時は流れ、今回の訪問になりました。
管理人がここを訪れたかった理由は、世界遺産のミニチュアをいろいろな角度から写真撮影できること。これに尽きます。
たとえば下の画像。モデルの女性は茜さやさんです。そして背景は、そう、清水寺です。
ところが、清水寺では、このアングルから写真を撮ることは絶対にできません。
実際に管理人が2年前に撮影したのが下の写真です。あいにく改修工事中で清水の舞台がシートですっぽりと覆われていました。写真の女性はコラです。
世界中にある世界遺産。その中でも有名な47の世界遺産をここ東武ワールドスクエアで見ることができます。そして、それを好きなアングルから撮影できます。
清水の舞台にはAKB48の子たちが見学に来ていたようです。
今はなき、パリに行っても見ることができないノートルダム寺院も火災前の姿を見ることができます。
ウエストミンスター寺院もこの角度から写真撮影することは絶対にできません。
ギザのミラミッドもこの角度からは撮影できない。
ローマのコロッセオも同様です。
外国にある世界遺産をわざわざ観に行っても写真撮影できるアングルはとても限定的です。
お客さんたちの会話を聞いていると、あっ、ここに行った、という声がよく聞こえてきます。以前行ったことのある世界遺産のことを思い出しているのでしょう。
ニューヨーク、マンハッタンに行っても下のような写真を撮るのは困難です。
オランダの風車
パリのエッフェル塔もあります。
いかがでしょうか。とてもミニチュアとは思えないできばえではないでしょうか。
実際には25分の1スケールなのでこんな感じです。
お客さんが少ないと人が映り込まないので写真撮影が楽でよいと言えます。
行ったことのない世界遺産を見ると、いつかはそこに行ってみたいと思うし、既に行ったことがある場合は、実際とはここが違うという突っ込みができます。
写真を撮りながら3時間かけて回りました。帰る頃にはへとへと。暑くて頭がくらくらしてきました。園内を丁寧に見て回るには結構体力が必要です。
本物の金閣寺で撮影したものが下の写真です。茜さやさんをモデルにした管理人お気に入りの一枚です。
東武ワールドスクエアで撮影したものがこちら。
行ったことのある人には周囲の状況から本物かどうか分かりますが、現物を見たことのない人にはどちらが本物なのか分からないかも、
東武ワールドスクエアの建物の完成度はかなり高い。
ここのお客さんが少ないと書きましたが、どれほど少ないかは下の写真を見ると想像できると思います。
閑古鳥の写真がなかったのでAC Photoの雷鳥を使わせて頂きました。
アンコールワットにはガリバーのような巨人がいました。暑い中の補修作業は大変だと思います。
東武ワールドスクウェアの開園は1993年。今から26年前です。年月の経過とともに構造物の痛みも出てきているのでしょう。しかし、それが風合いとなって古びた感じを醸し出し、より本物らしく見えます。
一つ注文を付けるとするなら、人物のフィギュアをつや消しにして欲しい。太陽光に反射してテカテカ光っていては興ざめです。
江戸ワンダーランド日光江戸村
日光江戸村は、江戸時代の文化や生活を集大成したテーマパークです。正式名称は2003年より「江戸ワンダーランド 日光江戸村」となりました。年々、施設が拡張・充実しているようで、園内に入るととても広いという印象を受けます。
園内には「江戸人」が歩いているし、江戸時代にタイムスリップしたような気持ちになります。
入口を入って進んでいくと、左手に貸衣装屋があり、江戸人に変身できます。かなり本格的な貸衣装です。
ここで変身した観光客が江戸人となるため、キャストだけでなく多くの江戸人が道を歩くことになります。これが見所の一つでしょう。
園内を歩いていると、まるで時代劇のワンシーンのような光景を目の当たりにします。女性キャストの方は美人揃いです。男は記憶にありません(笑)。
黄金の茶室もありました。
園の中でも管理人の一番のお気に入りがこれ。『忍者修行の館』。床、壁、天井がゆがんでいるため、まっすぐに立つことができない。不思議なことに身体が重くなった感じで、思ったように歩くことができない。とても不思議な体験です。
お侍さんの親子連れ。いい思い出になるでしょうね。
京都の東映太秦映画村と比較してみましょう。
下の写真は太秦映画村で撮影した日本橋です。ロープが張ってあり渡ることはできません。ロープはフォトショップで消しています。
日光江戸村の日本橋と両国橋。 こちらの方が太秦より規模が大きい。
全体的に見て、日光江戸村の方が敷地が広く、施設やイベントが充実していると感じました。
太秦のスタッフは、映画の役者が本業で、それ以外は副業というスタンスを感じますが、日光江戸村のスタッフは本腰を入れてやっているという印象を受けました。江戸人になりきっているので、見てるだけで楽しい。
しかし、お客の数が少ない。こんなすてきな施設なのに、どうして観光客が少ないのだろう? そう言えば、京都の太秦も閑古鳥が鳴いていました。時代劇が人気がないのでしょうか。不思議です。外国人もほとんど見かけません。
たぶん、知名度が低いのでしょうね。外国人はこの施設のことを知らないのかも。
日光東照宮
旅行の初日、東武ワールドスクエアを見学し、タクシーで近くの宿にいき一泊。素泊まりで5400円でした。翌日は、ホテルから江戸村に徒歩で行きました。10分くらい。
江戸村見学後、無料送迎バスで日光駅まで行き、そこからタクシーで日光東照宮へ。見学後は徒歩で日光駅まで戻り、電車で帰宅しました。
日光駅から東照宮までの道路はとても混むことで有名で、徒歩なら30分、バスなら2時間かかるというジョークのような話もあります。ジョークではなく本当のことのようです。
この日は道路の混み方を見てタクシーを使って東照宮まで行きました。交通渋滞は全くなし。帰りは下りなので歩くことにしました。徒歩30分くらいの距離です。ポケモンをたくさん捕まえました(笑)。
Map source: 日光東照宮ホームページ
東照宮はたくさんの観光客がいたのですが、撮影した写真を見ると観光客がたくさんいるようには映っていない! 意識的に観光客が映らないようなアングルで撮影したためです。
最初に五重塔。塔の高さは36メートル、幅6メートル。五重塔としては国内第6位の高さです。国の重要文化財に指定されています。
この塔の見所は、塔の真ん中に巨大な「木の柱」がぶら下がってること。芯柱です。東京スカイツリーの設計にも応用された技術です。
拝観料を支払うと五重塔を間近で見ることができますが、中には入れないし、中の写真撮影は禁止です。
基礎部分の格子から芯柱を見ることができるのですが、実際には見えませんね。ライトで照らされた柱らしきものが隙間から見える程度です。わざわざ拝観料を払って見るほどのものではない、というか見えない。
拝観受付所でチケットを購入し表門への石段を登ります。
表門を抜けると、こぶし大の石がゴロゴロと敷き詰められた場所に出ます。
この石の上は不安定で、とても歩けない。ましてや走るなど絶対にムリ。なぜ、こんな大きな石が使われているのでしょうか。外敵の侵入を防ぐ工夫なのかと思ってしまいます。でも、お城でもないのにそんな防御の工夫があるとも思えない。
こんな足場の悪いところをスタスタと歩けるのは巫女さんくらいです。
ここを抜けるといよいよ陽明門が見えてきます。
眠り猫を見て、家康の墓地へ。
家康の墓地までの参道は長蛇の列。なかなか前に進まない。
やっと家康の墓地に到着。家康の宝塔は、他の将軍と同じですね。デザインもサイズも。もっと大きいとか、黄金でできているとか、そんな期待があったのですが、見たところ、他の将軍と同じようです。
ところで、家康の遺体がここに埋葬されているかは誰も知りません。家康の遺体は、死後、久能山東照宮に埋葬されたことは確認されているものの、その後、家康の遺言にしたがって、日光東照宮に改葬されたとも言われていますが、誰も本当のところは分からない。記録がないのです。
まさに、お笑い日本史です。こんなことも分からないなんて。東照宮の管理者って、まともに仕事をしていないの?
もしかしたら、宝塔の中には、徳川埋蔵金が隠されているかも。ここまでの道筋で、境内には砂や砂利ではなく「ぐり石」が敷き詰められている。これは、明らかに敵の侵攻を遅らせるための細工。
やはり、徳川埋蔵金は、赤城山麓ではなく日光東照宮に隠されていた?
などと思いをはせながら帰路につきました。