どうやって作ったのか? とても手の込んだ動画が美しい
各家々に飾られたクリスマスの飾り。色とりどりにライトアップされ綺麗です。このクリスマスのイルミネーションが音楽に合わせて同期する動画がありました。一軒の家ではなく、この地区丸ごと同期しています。
Youtube: Il quartiere accende le luci di Natale, ed è subito spettacolo!
音楽にぴったり同期するイルミネーションはとても綺麗です。この印象的な曲名は「Wizards in Winter」
この動画はどこで撮影されたものでしょうか。
その前に、この動画がおかしいことに気づく必要があります。
動画の投稿者はイタリア語で米国カリフォルニアのユカイパ(Yucaipa)としています。もしそうであれば、とてもおかしい。何がおかしいかというと、車が左側通行で走っている。アメリカならば右側通行で走らなければいけない。しかも、道路に描かれた「STOP」の文字が反転している。
そうなのです。この動画は左右が反転しています。
正しい向きの動画は下のリンクで見ることができます。下の画像をクリックすると別ページで動画がスタートします。
正しい画面は下の画像のようになります。
やはり、正しい向きで見るといいですね。
下の画像は交差点の拡大図です。「STOP」の文字が正しく表示されています。
YouTubeの動画を見て、すぐに反転していることに気づかないということはないですよね。えっ、気づかなかった?!
もし気づかなかったとしたら、少し重傷かも。
なぜ、左右反転に気づいたのか
種明かしをすれば、実は、二つ目の動画の方を最初に見つけ、ブログに貼ろうとしたら動画が自動でスタートしてしまうため、YouTube版を探しました。
最初は、少し違和感を感じたのですが、見ているとだんだんと気持ち悪く感じる。何かがおかしい。最初に見つけた動画を再生してみたら、Youtube版と左右反転している。
でも、どっちが正しいのだろう。そこで、文字がないか探したら、道路に描かれている「STOP」の文字を発見。これで、正しいビデオがどれかが分かりました。
Youtube版を見たとき、車が日本と同じ左側を走っているので、イギリスか、イギリスを宗主国とする国で撮影されたのかと思いましたが、「STOP」の文字を見て、左右が反転していることに気づきました。
しかし、YouTube版で、なぜ、左右反転したビデオをアップしているのか分かりません。
撮影場所を特定する
この動画は、どう見てもCGではありません。どうも新興住宅の一ブロックのように見えます。管理人の関心は、これがCGか否かではなく、どうやって撮影したのかということ。
それでは、この動画がどこで撮影されたものか、その場所を特定しましょう。
ヒントは、動画投稿者が書いている「Yucaipa, California」です。カリフォルニアのユカイパをGoogle Earthで表示し、この場所を探します。
周囲の山、遠くに走る高速道路を目安に、ある程度範囲を絞り込むことができます。さらに、動画のカメラが右にパンしたとき、車回りのロータリーが見えます。右側の道路は行き止まりです。
このようにして調べていくと、場所を特定できました。
交差点の「STOP」の文字、交差点から4軒目の家の屋根にのっているソーラーパネルで確認できました。
Source: Google Earth
Google Earthの「KMZファイルDLのリンク」です。Google Earthでご確認下さい。
座標は[ 34° 2’21.50″N 117° 4’29.65″W ] です。この値をブラウザの検索窓にコピーペして、地図検索すると、地図で表示できます。道路の名前が[マニング・ストリート]であることが分かります。
カメラの場所はどこか
この動画は、ドローンを使って撮影したのかと思ったのですが、動き方を見ると固定カメラであることが分かります。リモコンで角度を調節できるようです。角度を変えたときの写り方から、望遠ではなく、この交差点の近くに設置されたカメラであることが分かります。
カメラの設置高さは、地上から30m以上あります。
この条件で、Google Eath、Google Map Street Viewで探したのですが、見つかりません。この周辺に高い構造物は一切ありません。どうやって撮影したのでしょうか。
カメラが全くぶれていない。さらに数秒間、同じ画面になっていることからドローンによる撮影ではないと考えました。かなりしっかりした柱に固定されていたと考えられます。撮影のために、一時的に柱を建てたのかも知れません。しかし、30mの柱を建てるのは大がかりな工事になります。アマチュア無線のアンテナの支柱のような構造ではないかと考えます。
このイルミネーションに参加しているお宅は15軒ほどです。この撮影にどれくらい費用がかかったのか気になります。素人が趣味でやったわけではないようです。
違うバージョンがあった
別のバージョンを見つけました。
この動画では、最後のシーンでカメラが大きく前方に移動し、降下しています。固定カメラではありませんね。やはりドローンっぽいです。
http://www.floptv.tv/video/dyi/vicini-geniali-creano-uno-show-di-luci-di-natale-sincronizzate/
やはり気になる撮影方法
イルミネーションよりも、この映像をどうやって撮影したのかの方に興味があります。
これは、やはりドローンを使って撮影しているのかと考えたのですが、どうもおかしい。最初の方の映像は長時間、同じ位置で撮影されており、カメラは微動だにしません。
管理人ならどうやって撮影するか考えてみました。
管理人ならばラフタークレーンを使います。・・・・・、そうなのです。ラフタークレーンを使えばこの撮影が可能です。
ラフタークレーンというのは、トラックにクレーンが付いたもので、自走できるので移動が簡単にできます。ブーム長で50m程度なら手軽に入手できそうです。ブームの先に10m程度のジフを取り付けると、撮影範囲はさらに広がります。重量物を吊り上げるわけではないので、大型クレーンは不要です。
ラフタークレーン設置位置とカメラ位置
動画の開始位置と終了位置は、上の画像の黄色の線上を移動しています。その距離は約50mです。
カメラの動き方からリモコンで撮影していることが分かります。ジフの先にカメラを取り付けていると思います。
この方法なら、動画の動きをすべて説明できます。
ちなみに、ここの道路幅は狭く見えますが、10mもあります。さすがはアメリカです。アウトリガーを張り出しても交通の支障にはならないでしょう。
オリジナルの動画に書かれているアドレスはすでに存在しません。「SocializeME」というハンドルネームの方が投稿したようです。誰が何の目的で作った動画なのか不明です。