過去の日付の日が何曜日かを知りたい時、Excelで簡単に表示させることができます。
TEXT関数を使います。例えば、セルA1に日付けを入力し、セルB1に =TEXT(A2,”aaaaa”) と入力すれば、セルA1に入力した日付けの曜日がセルB1に表示されます。
Excelでは1900年以前の日付けを計算できない
ところが、Excelの関数は、1900年以前は使えません。さらに、1900年は閏年ではないのに閏年として2月29日を計算しているため、曜日がずれてしまいます。1900年3月1日以降の曜日は正しいのですが、それ以前は、存在しない2月29日を計算するため、曜日がずれています。今回は、「1586年10月15日」の曜日を知りたいので、Excelの関数は使えません。
1900年以前の曜日確認や和暦・西暦変換方法
1900年以前の曜日を調べるには、ウェッブサイトを使うと便利です。
例えば、「10000年カレンダー」では、1582年以降の曜日を調べることができます。
また、”CASIOの曜日計算ページ“では、同様に、グレゴリオ暦が制定された1582年以降の曜日を表示することが可能です。
1582年にローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦を改良して新しい暦(グレゴリオ暦)を制定します。この新しい暦は1582年2月24日に発布され、1582年10月4日(木曜日)の翌日を、曜日を連続させながらも10日間を省いて、1582年10月15日(金曜日)とすることを定めました。つまり、1582年は、10月5日から10月14日までの10日間は存在しません。CASIOのサイトでも、この存在しない日付けを入力するとエラーが出ます。
1586年10月15日は何曜日か?
さて、本記事のタイトルである「1586年10月15日は何曜日か?」
1586年は1582年より後なので、CASIOのサイトで調べてみることにします。
答えは、「水曜日」です。ところが、これは、間違いです。
もう一度記事のタイトルを確認しましょう。タイトルは「イギリスの1586年10月15日は何曜日か?」です。この答えは、「土曜日」です。
前回書いたスコットランド女王メアリーの裁判の場面。「1586年10月15日、土曜日の朝。スコットランド女王メアリーは、フォザリンゲイ城の法廷に足を踏み入れた。」(『暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで―』、サイモン・シン/著、青木薫/訳、新潮社)
ローマ・カトリック教会は、1582年にグレゴリオ暦を定めますが、プロテスタント国であるイギリスやその植民地では、1586年になってもグレゴリオ暦は使われていません。イギリス帝国がグレゴリオ暦を採用するのは170年後の1752年9月14日になります。この切り替えにより、1752年9月3日から9月13日までは存在しません。
日本でグレゴリオ暦が採用されるのは1873年(明治6年)1月1日のことです。
昔の曜日を調べるのは簡単ではありません。グレゴリオ暦が制定された年月日が分かっても、まず、その国でグレゴリオ暦が採用されていたのかいつかを調べる必要があります。
ここまで書いていて、ふと、「上で示したように1586年10月15日がグレゴリオ暦表示でないのであれば、ユリウス暦で書かれているのではないか?」と思いついた。早速調べてみることにしましょう。
今回は、「(株)まえちゃんねっと 」が提供する「換暦」というサイトを使って調べます。このサイトは凄いです。グレゴリオ暦を”ユリウス日”に換算するサイトはたくさんありますが、ユリウス暦に換算するサイトはほとんど見つからない。「換暦」が管理人が見つけた唯一のサイトです。
すると、予想通りの結果になりました。ユリウス暦1586年10月15日はグレゴリオ暦1586年10月25日であり、「土曜日」となります。疑問点が氷解しました。