葛飾北斎が絵手本として発行したスケッチ画集である『北斎漫画』。
弟子たちに手本を示すために執筆したとも言われている画集です。
この中に、編み笠をかぶった踊る男の姿が32個のスケッチとして掲載されています。
以前、たぶんNHKの番組だったと思うのですが、このスケッチをアニメーションにして動かしている映像がありました。
このスケッチは、踊りを忠実に描いているので、アニメーションにすると踊り出すらしい。
そこで、早速作ってみました。
背景は、『冨嶽三十六景 駿州江尻』を使いました。
確かに踊っている。それも、違和感がない。
この絵は、子どもの頃から知っていたのですが、編み笠の部分を顔だと思っていたので、変な絵だとずっと思っていました。しかし、これは、編み笠をかぶって踊る男。
このGIFアニメを作るにあたり困ったことは、どんな順番なのだろう、ということでした。
絵は32個あります。北斎漫画の見開きページに描かれています。昔の本は縦書きなので、右ページの右上から読み始め、そのまま下に読みます。しかし、このイラストを文字を読むときのように右から左へ、上から下へと並べると不都合が生じることが分かりました。後ろ向きだった男が急に前を向いたり後ろを向いたりするのです。
このため、右上からスタートして、横方向、つまり、右から左に見る。次は下の段に移り、右から左に見る。
こんなルールに従って並べたのが今回のGIFアニメーションです。動きをなめらかにするために中間画像を入れても良いのですが、それではせっかくの北斎漫画が台無しになるので、今回はそのままアップしました。
各コマの足の位置が次のコマにつながるように配置しました。すると、あちこち動き回ります。NHKのアニメーションは、同じ位置で踊っていたので、今回のアニメーションとはかなり違うように思います。
また、今回やってみて分かったことは、リバースを入れなくてもGIFアニメが連続しているように見えること。通常、この手のアニメーションはリバースを入れないとリピートのつなぎ目がカクカクするのですが、このイラストではそれを感じさせません。
やってみて初めて分かることがある。
絵の順番など、実際にやってみた人しか気づかないことでしょう。
この順番が正しいかどうかは分かりませんが、動かしてみてもほとんど違和感を感じないので、管理人的には、これで良しとします。