GIFアニメのつなぎ目がぎくしゃくするのをきれいに修正する方法

GIFアニメの作り方と素材庫

 今日は、GIFアニメの修正方法をご紹介します。

 ネット上で、とてもよくできたGIFアニメを見かけます。

 たとえば、下のGIFアニメは、William Bouguereauの「The Nymphaeum(ニンファエウム)」という絵画です。ニンファエウムとは、ヨルダンの首都アンマンの旧市街中心部にある古代ローマ帝国時代の噴水の遺跡のことで、2世紀末に建造され、泉の精ニンフを祭っていました。

これをGIFアニメーションで動かしています。

 見て分かるように、苦労して作ったと思われるGIFアニメですが、つなぎ目が汚く台無しです。

 とても不思議なのですが、どうしてリバースにしなかったのだろう?

 そこで、このGIFアニメにリバースを入れてきれいに表示してみます。
 できあがったの下のGIFアニメです。

Nymphaeumリバース挿入版

 これを見て、「なぁんだ、反転のコマを入れただけじゃないか」と思うかもしれませんが、実はそれは不可能なのです。オリジナルのGIFアニメは最適化されているため、各コマには動く部分しか入っていません。このため、コマを逆順に並べてもきれいに表示できないのです。

 今日ご紹介する方法は、この最適化されたGIFアニメを修正する方法として活用できると思います。

 以下で、修正方法を具体的に説明します。

最適化されたコマを修復する

 最初に、最適化されたコマを元の状態に復元します。

 オリジナルファイルは、下に示すように最適化されているため、2コマ目以降の各コマの画像は欠落しています。これを元に戻します。

1.『BLOG☆GIF』というサイトを使います。

 リンクからサイトを開き、右コンテンツバーの下の方にある「アニメーションGIFを分解」をクリック。

 ①[参照]ボタンをクリックして、ファイルを読み込み、「最適化GIFを削除」にチェックが入っているのを確認し、②[私のGIFを破る]をクリック。

 全てのコマの最適化が元の状態に戻されるので、そのファイルをダウンロードします。

アニメーションの再構築

 ダウンロードした「最適化を解除したコマ」を再度、GIFアニメーションにします。

 GIFアニメ作成フリーソフト[GIAM]を起動し、ダウンロードしたファイルを全て[GIAM]にドロップします。そして保存。これで、GIFアニメの再構築完了です。

リバースの作成

 GIFのコマを反転させるリバースは、Giamでコマを複製し、順番を並べ替えても良いのですが、コマの数が多いと大変な作業になるので、これもWebサービスを使います。

 『GIFGIFS.COM』の『GIF reverser』という機能を使います。
 先ほどGiamで作ったGIFアニメファイルを読み込み、①[REVERSE]ボタンをクリックしてリバース変換します。そして、②[Download the result]ボタンをクリックして、リバース変換したGIFアニメファイルをダウンロードします。

GIFアニメーションの合成

 オリジナルとリバースを合成して一つのGIFアニメにします。

 Giamを起動して、オリジナルファイル、リバースファイルの順にGiamにドロップします。

 動きをプレビューして、良ければ保存して終了です。

 以上です。

 なお、「Giam」の使い方が分からない方は、『GIFアニメ簡単作成ソフト「Giam」の使い方』をご覧ください。

注意点

 GIFファイルによっては、最適化を元に戻せない場合もあります。その時は無理に修復しようとせず、あきらめましょう。作り直した方が早いです。
 
 今回サンプルで使ったオリジナルはとてもよくできています。元の動画はイタリアのRino Stefano Tagliafierro氏の作品で、それを誰かがパクってGIFアニメにしたものでしょう。

 このオリジナルは30コマでできています。リバースを入れたものはその倍の60コマになります。

 管理人が自分でこれを作るとしたら、100~120コマくらい使うと思います。60コマではやはり動きが荒い。すると、とても重くなるのでGIFアニメにできない(笑)。

実は、もっと簡単にできる! その方法とは!

 今回は二つのWebサービスを使いましたが、ほかにもいくつか優れたサービスを提供しているサイトがあります。
 『EZGIF.COM』では、「GIF Split」という機能を使って最適化されたコマを元に戻すことができます。

 また、最適化されているGIFアニメでも「GIF Effects」のリバースで今回と同じことが可能です(下の写真参照)。つまり、このwebサービスだけで全てできるということです。

 じゃあ、上の説明は何だったのかということになりますが、何ごとも手順を覚えておくと応用が利くので、あえて紹介した次第です。

 今回のGIFアニメを見ていると、ブランコを押しているニンフは、なぜ手を離さないのか・・・と思ってしまいます。手を離すバージョンは簡単に作れそうですが、このGIFアニメ自体の画質が悪いので作る気力がわきません。さらにファイルがとても大きくなるので、GIFアニメでは難しい。フラッシュに変換するしかないでしょう。

 Rino Stefano Tagliafierro氏の作品は驚くほどきれいで、彼の画質を追い求めたくなります。