ネットを閲覧していると、開いたページがコピーできないような設定になっている場合があります。画面上で右クリックすると警告がでるものや、まるでページ全体が画像のように全く選択できないものなど幾つかのタイプがあります。
サイトを運営されている方の考え方なのでしょうが、閲覧者としては困ることもあります。
サイトに表示されているとても長い文字列を間違えずに自分で打ち込まなければならないという場合も発生します。
また、ソフトなどで表示されるダイアログも文字列を選択できない場合があり、不便に感じることがあります。
短い文字列なら自分で打ち込んでもよいのですが、少し長い文字列、あるいはランダムに並んだ英数字などになると正しく打ち込んだのかをチェックする作業がとても煩わしい。
こんなとき、コピーできたらと思ってしまいます。
ソフトのダイアログのコピーとは
文字認識できないWebページをコピーする方法は、ネットを探せば簡単に見つかります。特定のページのJavaScriptをオフにすることでコピー可能にする手法です。
でも、ソフトで表示されるダイアログの文字列のコピーはこの方法ではできません。
説明しても分かりにくいので動画にしました。
多くの人が使っていると思われる[IrfanView]。このヘルプで表示されるダイアログは文字列を選択できません。これを選択可能にしているのが動画です。こんなものをコピーしてどーすんだ!、などと突っ込みを入れたくなりますが、あくまでもサンプルです。
コピーできないページやダイアログから文字列を抽出する方法
この操作は、「Textify」というフリーソフトを使っています。前回、『Windows10のタスクバーのプレビューがうざい!:解決策』で紹介したフリーソフト「7+ Taskbar Tweaker」を公開している「RaMMicHaeL’s Blog」さん作成のフリーソフトです。
上のリンクからサイトに行き、ソフトをダウンロードします。
[textify_setup.exe] という小さなサイズのプログラムがダウンロードされます。これを開いてインストールします。
インストールの途中でスタートアップ登録を聞いてくるので、これはやらない方を選択。デスクトップにショーカットを作成するのみにチェックを入れる。
滅多に使わないソフトなので、毎回自動起動する必要はないでしょう。ショートカットがあれば十分です
textify の使い方
デスクトップに作成されたショートカットをクリックしてソフトを起動。下の小さなウインドウが開きますが、使いません。右上の[x]をクリックして閉じてもOKです。これはあくまでも設定変更の画面です。ソフトは既に起動しているので、キーボードとマウスだけで操作します。
デフォルトで説明しますが、操作ボタン等は変更可能です。
[Shift]キーを押したまま、マウスの[ジョグダイヤル]を押し続けて、コピーしたい文字列の上をなぞります。文字列の終点は適当でOK。自動認識するので、厳密になぞる必要はありません。
すると、文字列として認識され、選択・コピー可能になります。
コピーできる文字列の長さは、1行程度です。
このソフトの優れているところは、コピーガードのかかった画像の上でこの操作をすると、画像のurlが表示されること(できない場合もあります)。このurlをコピーして、アドレスバーに貼り付けると画像が表示されます。これは保存可能です。
Webページの場合はアドオンが便利
通常は、JavaScriptをオフにする方法が使い勝手がよいでしょう。
ブラウザはFirefoxで説明します。
アドオン検索で「Disable Javascript」を調べてインストール。
アドレスバーの右端にボタンが表示され、JavaScriptのオン・オフがボタン操作でできるようになります。ページのコピーガードにJavaScriptを使っている場合、これをオフにするとコピーガードは外れます。
コピーできないページのタイプ
コピーできないページには三種類くらいのタイプがあるようです。一つは文字が選択できないもの。選択できないのでコピーもできません。右クリックから出るメニューを表示させない事で、コピーをさせない方法もあります。
二つ目が文字の選択はできるけれど、それをコピーしようとするとエラーメッセージが表示されるもの。
三つ目が文字の選択もソースコードの表示もできないもの。さらに、JavaScriptをオフにするとページが表示されなくなる。これが一番手強い。
サンプルHPとして『ホームページを小粋に』さんのサンプルページで試してみます。このページは、文字列の選択もできるし右クリックもできるのですが、[コピー]を押すと「コピーしないでね」と警告が表示されコピーできません。範囲を選択して[Ctrl]+[C]でコピーしようとしてもやはり警告が出てコピーできません。body要素に「onContextmenu=”return false”」に追記する手法です。
これもJavaScriptをオフにするとコピーできるようになります。
問題となるのは、『JavaScriptを有効のまま,コピペ禁止だけを解除』したいケース。
JavaScriptをオフにするとサイトが動作しなくなる場合があります。JavaScriptを無効にするとサイトに何も表示されないというおかしな事をやっているサイトも中にはあるようです。その時は、『textify』が役に立ちます。
コピーできない最強ページのサンプル提供サイトを攻略
[HTML Guard]というサイトが、コピーガードを施したサンプルページを提供しています。[HTML Guard]というコピー防止のための製品販売用のものです。
下の画像をクリックするとそのサンプルページが別ページで開きます。
このサンプルページは、文字列の選択はできません。さらに、ページのソースを表示することもできません。Javaを停止するとページが表示されなくなります。まさに最強!
つまり、ネット上に書かれているような一般的な方法では、この文字列をコピーすることはできないのです。
では、この最強のサンプルページの文字列を抽出してみましょう。
上の動画のように、textifyを使うと文字列を難なくコピーすることが可能です。
もう一つサンプルサイトをご紹介します。
このサイトは、そもそも文字列が表示されません。ミミズが這っているような筆記体のような記号が表示されているだけです。
通常のコピーガードではなく、表示自体を別の記号で表示させるものです。このようなことをして何の意味があるのかさっぱり分かりませんが、ニーズがあるのでしょう。このミミズをコピーペすると、通常の文字列として見ることができます。
コピーガードを施すサイトはほとんどありません。そのようなサイトに出くわすと、そのサイトの管理人の度量の小ささを感じます。そのようなサイトに限って、他人の写真を無断で貼り付け、著作権表示をしたりします。
他のサイトの情報をパクっていて恥ずかしいからコピーガードをかけている。そんなサイトも見かけます。
長年運営しているサイトがコピーガートをしているのを見たことがありません。コピーガードをするメリットよりデメリットの方が大きいことを知っているからでしょう。
お行儀のよい(別の見方では警察が機能している)日本では、コピーガードをする必要性を感じません。日本語という特殊な言語も関係しているのかも知れません。アルファベット26文字の組み合わせしかない欧米では、コピーペが日常茶飯事なのでしょう。