皇女和宮は達筆だったか

皇女和宮の謎

 昔の人は皆さん字が上手です。字がうまいと教養がありそうに思われます。反対に、字が下手だと教養がないように思われてしまう。字のうまい人がうらやましい。

 さて、和宮は、字がうまかったのでしょうか。

 宮内庁書陵部に「静寛院宮御詠草」という和宮直筆の和歌集が保存されています。これは、全14冊からなる大変ボリュームのあるもので、収録されている和歌は1700首以上あるようです。

「袖に置く涙のつゆにうつしませ逢ふがまほしと恋ふる御影を」(静寛院宮御詠草 第1巻)
 (この歌は、国文学研究資料館の「静寛院宮御詠草」スライド番号 12/454に収録されています)

  明治3年(1870)正月、父帝(仁孝天皇)の25回忌に京都泉山の御陵に参拝した折に詠んだとされています。

 「千人万首 和宮」によると、この通釈は以下のような意味なのだそうです。

【通釈】父上のことを思いますたびに、私の袖に涙が落ちます。その滴(しずく)に映してください、お逢いしたいと恋うる父上のおん面影を。

 「静寛院宮御詠草」をずっと見ていたのですが、和宮は達筆であることは間違いないようです。和歌の英才教育とともに、習字の勉強もしたのでしょう。

 和宮の字を延々と数時間も眺めていると、いろいろと文字の特徴が見えてきます。たとえば、「み」という文字がやたらとデカいとか。字がうまい下手については、管理人にはよく分かりませんが、和宮の字はのびのびと書かれているように感じます。

 神経が細やかで繊細な女性ではなく、何事にもおおらかで、天真爛漫といった印象を受けました。個人的印象です。

 どのような歌なのか、残念ながら管理人の力量では読むことができません。まさに、文字を眺めているだけです。和宮の字はあまり崩していないので読みやすいと思います。「静寛院宮御詠草」の全文をすらすらと読めるようになれるとよいのですが。

参考

 国文学研究資料館の「静寛院宮御詠草」巻別スライド番号

  • 1巻 4/454 明治3年
  • 2巻 31/454
  • 3巻 65/454 明治7年
  • 4巻 88/454
  • 5巻 119/454
  • 6巻 160/454
  • 7巻 186/454
  • 8巻 201/454
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