ビールの美味しい季節になりました。日本酒党の管理人も、さすがに暑い時期はビールを飲むことがあります。
ビールを美味しく飲むためには、泡を消さないように飲むのが常識。細かでクリーミーな泡がフタの役割をして、炭酸と香りを閉じ込め、最後まで美味しく飲むことができます。
と、一般的に言われていますが、現実は違います。ビールを注いだときは泡がありますが、1、2分すると消えてしまいます。短時間で飲み干すのなら問題ないのですが、じっくり味わいながら飲みたい、あるいは、会話しながら飲む。すると、泡はほとんど消えてしまいます。
泡の消えたビールを飲むのは、いささか興ざめ。クリーミーな泡を長時間保持する方法はないものか?
今日は、ビールの泡をいつまでも保つ方法をご紹介します。
ビールの泡の役割と比率
ビールの泡の役割は、サントリーのお客様センターには、次のように書かれています。
ビールの泡はどんな役割をしているのですか?
回答
ビールの泡は「風味が変わるのを防ぐ」「口当りをやわらかくする」「炭酸ガスを逃さない」などの役割をしています。
泡は、ビールが空気に触れ、成分が変化することにより味が落ちるという現象を防ぐとともに、炭酸ガスを逃さない「蓋(ふた)」の役割をしています。
また、苦味成分を吸着するという効果もあります。
クリーミーな泡は、ビールの美味しさの秘訣です。
生ビールの美味しさは「クリーミーな泡のなめらかな口あたり」と「飲んだ時の爽快感」。その2つを気持ちよく楽しめるバランスは
ビール:泡=7:3 です。
SANTORY『ビール:泡=7:3 』。泡の比率が結構多い。
最後まで消えない泡を作る
グラスに注がれたビールは、長くても5分ほどで飲んでしまう。いやいや、会話していると10分くらい経っているかも。そのような場合、泡は完全に消えてしまいます。
そこで、消えない泡を作ります。泡は、あくまでもフタなので、消えない泡を残しながら、最後まで美味しく飲みたいと思います。
消えない泡の作り方は、「泡醤油」の作り方を参考にします。
- ビール 50cc
- ゼラチン 1g(ゼラチンは約80℃のお湯大さじ1強のお湯でしっかり溶かす)
- ボウルにお湯で溶かしたゼラチンとビールを入れ、網じゃくしで2~3分泡立てます。
泡立てには、ハンドミキサーを使っても良いのですが、取り出して、使って、洗って、仕舞う、という工程を考えれば、網じゃくしの方が手軽でお奨めです。
【作り方】
ビールの正しい飲み方
ビールで大切な泡を最後まで残す飲み方をご紹介します。泡を消さないようにビールだけ飲む方法です。
簡単なことなのですが、目から鱗、といった感じです。
その秘訣は、グラスの下部を持って飲むこと。たったこれだけです。
通常は、グラスの上の方を持って飲みますが、これはNG! グラスの下の方を持って飲むことで、グラスが唇で支えられるような形になります。そして、グラスの傾きも大きくなる。これにより、泡の部分は上唇で押さえ、その下にあるビールだけを飲むことができます。ぜひ、お試しあれ。
実際にやってみる
実際にやってみました。
まず、上のレシピに従い、ゼラチンとビールを入れたものを泡立てます。ところが、泡立たない!
何が悪かったのだろう? ビールじゃ泡立たないのかも。でも、3分ほど泡立てていると、いくらか泡ができたので、それを使います。
グラスを2つ準備します。我が家には、コップや皿などのたぐいはほとんどないので、ワイングラスを使います。
一方のグラスは普通に注ぎ入れます(写真左)。もう一方のグラスにはビールを入れた後、先ほどつくった「泡」を乗せます(写真右)。時間の経過が分かるように時計も置いておきます。9:49 スタートです。
普通に注いだグラスの方は、1分も経たずして泡が急激に減少してきました。ゼラチンの泡を乗せた方は、泡の量はそれほど変わりません。
そして、1分が経過する頃には、普通に注いだ方は、泡が消えてしまいました。なんて消えやすいんだ!
それに比べ、ゼラチン泡の方は、かなり善戦しています。上から見ると違いは一目瞭然です。
ゼラチン泡はいつまで保つのかを調べるため、もう少し実験を続けます。
普通に注いだ方は、お役目が済んだので、管理人がのどを潤します。
ゼラチンの方は、6分経過しても、泡はある程度残っています。でも、上から見ると、ビール表面をかろうじて覆っている程度です。このため、ここで実験は終了。
この方法は使えるか?
この方法は本当に使えるか、と問われれば、・・・、人によるでしょう、という答えになります。
問題なのは、ゼラチンが十分泡立たなかったこと。以前、別の機会に、泡立てしようとしたときもうまく泡立たなかったので、ゼラチンが劣化しているか、管理人のやり方がまずいのかも。
次に、味。ゼラチンを入れたビールを泡立てているので、泡はゼラチン味です(笑)。でも、ゼラチンには味がないので、ビール味しかしない。
2つのグラスを飲み比べると、明らかに味が違うのですが、では、ゼラチン泡グラスは不味いかというとそうではない。単に味が違うという感じです。
実は、最大の問題は、ビールの最後の部分を飲むときです。かなりの部分がゼラチンで、粘度があり、まるで、ナタデココのようなプチプチ感があります。とてもビールとは言えない!
この方法は、撮影には使えそうです。5分以上泡を維持できます。上手に泡立てできれば、もっと長時間泡を維持できるかも知れません。
何事も、自分でやってみなければ分からない。