アマゾンで買い物するなら「サクラチェッカー」で危険度チェックは常識?

役立つ知識

 Amazonで何でも買えるので、普段の買い物はAmazonを利用している方も多いのではないでしょうか。

 そこで悩むのが、同じ商品がいくつかの出品者から出品されている場合。

 同じ商品でも価格はバラバラ。たとえば、ある商品が次の価格で出品されているとしたら、あなたはどの出店者から買いますか、買いませんか?

【商品名】 ”ある商品” (仮想商品です)

【価格と評価(レビュー件数)】

  1. A社:  12540円 ★★★★(10)
  2. B社:   6980円 ★★★ (5)
  3. C社:   4980円 ★★ (14)
  4. D社:   4690円 ★★★★★(22)

 さて、あなたが買うのはどの出品者・会社から?

 D社が一番安く、評価も高いし、評価者の人数もずば抜けて多い。でも、安ければよいというわけではない。トラブルは御免こうむりたい。そこで、D社の評価の内訳に着目します。

 すると、全22人の評価者のうち、12人(55%)が五つ星の最高評価をしていますが、9人(22%)は星一つの最低評価をしています。これってとてもおかしい。評価が両極端に分かれると言うことは、何らかの操作が行われていると疑うべきでしょう。

 恣意的な情報操作があったとするならば、それは二つのパターンが考えられます。

 一つは、高評価をしているのは「サクラ」と呼ばれるお金をもらって嘘の評価をする人たちによるものという見方。

 もう一つは、逆に、その販売会社の評判・評価を落とすために、ライバル社が、やはり「サクラ」に依頼して、最低評価を付けている場合。この場合は、C社が「サクラ」評価を購入している可能性もあります。

 次に確認するのは、コメント欄。すると、D社のコメント欄で五つ星を付けた人のコメントは、長いコメントになっていますが、商品とはほとんど関係のない文章内容になっています。日本語もおかしい。これに対して、一つ星のコメントは、本気で怒っているのが伝わる怒りの文章になっています。

 あなたなら、どの評価・コメントを信用しますか。

Amazonのやらせレビューの実態

 「ねとらぼアンサー」というサイトで『Amazonのやらせレビューと戦う「サクラチェッカー」はなぜ生まれたか 開発者に聞く背景やサクラレビューの見分け方』という記事を配信していました。

 どうやら、やらせレビューをつくる会社があり、そこに登録している人たち(サクラ)が小遣い稼ぎにやらせレビューのコメントをせっせと書いているようです。この会社は、やらせレビューをAmazonなどの通販出品者・出店者に販売して利益を得ている。

 このような仕組みを批判する記事もよく見かけます。でも、そのような批判もどこか変です。そのような批判を書いているサイトの特徴は、サクラレビューを書いているのが小遣い稼ぎの主婦たちで、罰せられる恐れもありますよ、と脅かす内容になっていることです。これのどこがおかしいか分かりますよね。

 このやらせレビューをなくすのは簡単です。Amazonがレビュー機能を中止すればよいだけです。1ヵ月もレビュー機能を停止にすれば、やらせレビューをつくる会社は干上がってしまいます。サクラに支払う収入が得られないからです。

 Amazonのレビュー機能は確かに便利です。しかし、それがやらせレビューをつくる会社により脅かされるのであれば、Amazonがその問題を解決すればよいことです。

 Amazonの翌日配達は便利ですよね。しかし、そのために、劣悪な環境で働くアルバイトたちがそのシステムを支えていることを忘れてはいけません。アルバイトにランクを付け、アルバイトがアルバイトを管理・監督するシステムのようです。下層レベルの労働を増やして人が足りないと言うのではなく、不要なサービスをなくすことが重要なように思います。

 やらせレビューをつくる会社のフェイクレビューを書くサクラたち。Amazonの配送センターでピッキング作業をするアルバイトたち。

 そして、日本の社会インフラを使いながら、法人税を全く納めていないAmazon。何かがおかしいと思いませんか。

 そう言えば、最近、「税の不公平感」という単語を聞いた記憶がありません。以前は頻繁に耳にしていた単語なのに、封印されているようです。

 普通の人は深夜・明け方にコンビニには行きません。コンビニが24時間・365日無休営業であれば、それは便利です。しかし、そこで働いている人たちはたまったものではありません。深夜勤務や早朝勤務の人にコンビニは必要、と議論をすり替える人が必ずいます。しかし、そういう人に限って、便利さしか頭にない。外国のことも知らない人たちです。

 経営者は常に人手不足に悩むことになります。24時間営業は強盗の標的にもなり、リスクも高い。 劣悪な労働をいくら増やしても、それに従事する人たちの不満が高まるだけです。

 外国を旅行していて感じるのは、クリスマスやイースターなどの時期は、店が全て閉店していること。飲食店も閉まっているので、24時間営業のコンビニに慣れ親しんだ日本人はとても驚き、不便に感じます。しかし、その国の人は不便に感じないし、むしろ、店を開いている店主を軽蔑さえします。みんなが休むときに従業員を休ませず、彼らが家族や友人と過ごすべき重要な時間を奪っているという考え方なのです。

 「便利」絶対主義の人には、理解できない考え方。しかし、そういう人に限って、海外では・・、と自分の主張に都合のよいときだけ外国の事例を出すから困ったものです。いや、滑稽ですらあります。

 注文したら翌日到着、あるいは、24時間いつでも買い物ができる。それって、本当に必要なことなのでしょうか。もっともっと本質的な部分で改善すべきサービスがあるように思います。

Amazonのやらせレビューを見抜くツール

 社会的な問題はともかくとして、普段、Amazonを通じて商品を購入しようとする時に参考になるのが購入者の評価とそのコメントであることは間違いありません。というか、それ以外の情報は入手できない。

 そこで、購入しようとする商品のレビューが信頼できるのかが重要になりますが、それを判定するツールがあります。それが、『サクラチェッカー』です。サクラが書いたコメントなのかをチェックできるという優れものです。

 何となく、「サクラ大戦」を彷彿とさせるネーミングですが、関係ありません。

 「サクラチェッカー」はこんなツールです。チェックしたいAmazonの商品サイトを開き、このurlを「サクラチェッカー」にコピーペすれば、その評価結果が表示されます。

 サクラチェッカーは、「価格・製品」、「ショップ」、「ショップレビュー」、「レビュー分布」、「レビュー日付」、「レビュアー・本文」の6項目でサクラレビューかどうかの判定をしているそうです。無料で使うことができます。詳しい使い方などはリンク先で確認して下さい。ブックレットでワンクリック評価も可能です。

 サクラが書いたものではないか、その危険度がパーセントで表示されます。かなり危険な商品と判定された場合、以下のように表示されます。

 上のサンプルでは「サクラ度99%です。」と表示されています。商品評価は、全く当てにならないと言うことでしょう。さらに言えば、商品トラブルが発生する可能性もあるということ。

 ただし、このような販売者、つまり、 フェイクレビューを購入して信頼の置ける販売者・商品だと偽装する販売者 が、必ずしも悪い商品を販売しているとは限りません。販売促進のためにこのようなフェイクレビューのお世話になっているだけかも知れません。しかし、それは、Amazon訪問者には分からないこと。サクラチェッカーで悪い評価が出たらその販売者からは購入しない方が、トラブルに遭わずにすみます。

 管理人の場合、怖いもの見たさもあるので、悪い評価の販売者からでも購入するかも知れません。高額商品の場合は別ですが。

 もうひとつ重要なことは、テレビショッピングなどの商品価格は、仕入れ値の4~5倍に設定されていること。このため、「半額セールです、お得です」と書かれていても、販売企業の利益はまだまだ大きいことを知っておくべきでしょう。

 消費者がTVショッピングで売られているものと同じ商品を安く買おうと思うのは当然のことです。たとえ「サクラチェッカー」がサクラ度100%と判定しても、安ければ購入してみるのもありかも、という気もします。やはり、商品の種類と価格にもよると思いますが。

 安物買いの銭失い、にならないように、気をつけましょう。何に気をつけるって? それはトラブルになったときの解決方法をあらかじめ調べておくこと。さらに、偽物には手を出さない。これに尽きます。もう一つ、弁護士とはお友達になっておきましょう。

 2019年10月2日付けでNHK NEWS WEBが「潜入取材!中国やらせレビュー工場」という記事を配信しました。

 これは、同日放送の「クローズアップ現代+ 『追跡!ネット通販 やらせレビュー』」の内容そのもののようです。NHK NEWS WEBの記事は、かなり詳しく紹介しています。番組を観なくても、放送内容の全てが分かるような記事になっています。

 ここで着目するのは、「やらせレビュー」ではなく、「クローズアップ現代」放送内容のかなり詳しい部分まで、なぜネットで公開するのか、ということ。ネットを見る人はNHK受信料を支払っていない人もたくさんいます。受信料で成り立っているNHKがただ乗りの人たちに向け情報を発信している理由は何なのでしょうか。まじめに受信料を支払っている人と、支払わずにただ乗りしている人。どうも納得できませんね。